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かわいいと思ったとき【SS・トラパス】
 
 
【2012/05/10 19:11】
 
 
「そ…うか………あんがとな」

 ほんのちょっと赤くなったほっぺた。
そこに乗る、らしくない微笑み。

 ドクンと胸が高鳴ったのは…何でだろう?




「…な、ん…で、……ろぉ…?」
 そう声に出したところで、ふっと目が覚めた。

 あ…れ……?
わたし、もしかして寝言、言ってた?
 それも…それも、あの日のことまた夢に見るなんて!!

 ガバッと身体を起こして頬に触れればやっぱり火照ってて。
ここのところの自分の変化に、わたしは首を捻るしかなかった。



 わたし…あの夜 ―― トラップの誕生パーティーした夜 ―― からおかしいんだ。
今日もだけど、昨日もその前も同じ夢見ちゃうしね?
思い出しただけでなんか体温上がっちゃうし……。

 もしかしてわたし…トラップのことが“好き”になっちゃった?

 …なーんて考えたりもしたんだけど、いつものトラップを見てても全然そんなことないんだよね。
バイトギリギリまで寝てるトラップを起こしに行っても、ドキッともしないし。
朝ごはんに文句つけるところはムカッとするばっかりだし。
だるそうに出かけてく後姿見たって、やっと行った…ってため息出るだけだし。

 トラップはパーティの仲間だから、嫌いじゃない。
でも、特別な意味で“好き”になるなんて、ありえないありえない!



 そう思ってた3時過ぎ。
外に干してた洗濯物を取り込んでたんだ。
 今日はとってもいい天気だったからみんなのシーツ洗ったんだけど、それを取るのが結構大変で。
2枚ほど片手に抱えたまま次のを右手でよいしょ、と引っ張ったら頭からそれをバサッてかぶっちゃった。
「キャア!!」
 持ってる分を地面につけちゃいけないから片手でもぞもぞと頭を出そうともがいてたら、すぐ側で覚えのある声がする。
「…あーにやってんだよ、おめぇは」
「トラップ!? ね、ちょっと手伝って! シーツ引っ張ったらこんな風になっちゃって…」
「わぁったから落ち着け。焦ったら出せるもんも出せなくなる」
「う…ん……」
 シーツの中で頷けば、頭の上あたり中心に布が擦れる音がして……サッと覆いが取れたんだ。
「ありが…と…」
「…ブハッ!」

 …ブハッ?

 助けてもらったお礼を言おうとした言葉を止めたのは、明らかに噴き出したんだろう息の音。
ジロリ、と視線を上に動かしたら……口元を押さえて笑いを堪えてるトラップがいたの。
「何よ、トラップ」
「な…にって……おめぇ、髪……っ」
「え、髪…?」
 どうしたんだろ、と思って頭に手をやりながら首を傾げる。
と、ついにトラップが声を上げて笑い出したの。
「はははははっ!!! 後ろに毛玉ついてんぞ、毛玉!!!」
 指差された場所はわたしの首の辺り。
空いてた右手を伸ばしてみれば、シーツを引っ張られたときに絡まっちゃったのか…後ろ髪がモジャモジャっとしてたんだ。
「ちょ、ちょっと!! そんなに笑うことないでしょ!! わたしのせいじゃないじゃない!」
「いーや! シーツ頭からかぶるなんておめぇくらいしかできねぇよ!」

 失礼ね!

 ……いつもならそう言って言い返すはずなんだけど、ね。
トラップの表情にまたドキンと胸が鳴って、声を出すことができなかったんだ。
 明らかにわたしをバカにしてる声のトーンなんだよ?
でも…顔はあの時とおんなじ。


 柔らかい、笑顔。


 細められた目が。
ちょっと赤くなったほっぺたが。
緩くカーブを描く口元が。



 ……かわいい。



 ふ、と思った瞬間ボッと顔が熱くなった。


 だ…だ、だだだだって!
あの日、マリーナが言ってたこと、思い出しちゃったんだもん!!



―― ね、パステル。異性にかわいいって思ったときが、恋のはじまりなのよ?



 え…?
え…えぇぇぇぇ!??
ち、違う違う違う違う!!!
絶対にそんなことなんかない!!!!

 頭の中に浮かんだ彼女の綺麗な笑みに対して全力で否定しながらも、心拍数はどんどん上がるばっかり。



 それはもしかしたら…わたし自身気づいてない本当の気持ち、なのかもしれない。


 でも……でもね?



「どした? おめぇが怒らねぇなんてどっか悪いとか?」
 反応のないわたしを心配して覗き込んできたトラップに鋭い視線を向ける。
「お…怒ってるから言葉が出てこなかったのよ! ほんとトラップって失礼なんだから!」
「おっと」
 振り上げた拳をひょいっと避けてニヤッと笑ったトラップは、「へいへい」と気のない返事をしながら家の中へと逃げていく。
わたしはその背中を追いかける振りだけしてホッと息を吐いた。



 もうちょっとだけ。

 もうちょっとだけ気づかないままいさせて。



 仲間として一緒にいられる時間も、わたしにとってはすごく大切なものなんだもん。



 きっといつかは、どうしようもなくなる日がくると思う。

 でも、それまでは……。



 スッと閉じた瞳の裏側には、トラップの優しい微笑み。

 トクントクンと力強く脈打つ心臓の音を、今だけ……ほんのすこーしだけ楽しんだ。






■投稿者:リューラ・F・カートン 『黒の書
■投稿日:5月10日
■コメント:
前回のお題、「苦さ」で書いた『消えない味』と、自サイトのブログにあるトラ誕SS『忘れられない味』の続き…のような感じになっております。
パステルの気持ちの「目覚め」を書いてみました。
…とはいえ、くっつけるところまで書きたくないのがトラパスの醍醐味でしょうか(笑)
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この記事に対するコメント
 
 

ほわわ!トラップへの気持ちに目覚めたパステルがとてもかわいいです。

トラップの表情に可愛いと思った瞬間、パステルにとっては時が止まったような感じになっちゃったのかなと思いました。
その瞬間の文章のテンポが好きです。
【2012/05/12 22:38】 URL | MOMO #oh4NkpYI [ 編集]

ありがとうございましたvv
お返事が遅くなってすみません!
文章のテンポ好きって言ってもらえて嬉しいですっ。
その場面は印象的に書きたかったのもあったので…。
ありがとうございましたvv
【2012/06/18 11:23】 URL | リューラ・F・カートン #UA3QZO.. [ 編集]

 
 
 
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