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あなたの元へ【SS・ギアパス】
 
 
【2013/04/30 21:23】
 
 
長かった冬も終わり、シルバーリーブにも待ちわびた春が訪れようとしていた。


「んー!いいお天気」

雲一つ無い青空の下、わたしはみすず旅館の裏庭で一人洗濯物を干していた。
今日は日差しもぽかぽか暖かいし、洗濯物もよく乾きそう!

鼻歌混じりにかごの中からシャツを取り出して丁寧にシワを伸ばしていたんだけれど、そんな中ふと頭に浮かんだある人物の顔に手が止まってしまう。

「ギア……今頃何してるのかな」

キスキンのお家騒動の際、ギアはわたしにプロポーズをしてくれた。
丁度冒険者を辞めようか悩んでいた時期だったし、ギアのことは嫌いじゃなかったから凄く凄く嬉しかったんだけれど……
まだ冒険を続けたい、このメンバーで旅を続けたいっていう気持ちに気付いてしまったわたしは、ギアからのプロポーズに答えることができなかった。
そして結局はお互いが別々の道を歩む事となってしまったのだった。

だけど、どうしてだろう。
最近ギアから贈られたネックレスを眺めることが多くなり、それに触れる度どんな時でもわたしの事を守ってくれた彼の優しさや別れ際にキスされてしまった時の事を思い出してしまって、とても切ない気持ちになってしまうのは。

ここでいくら考えてもその答えが出るわけでもなく洗濯物を干し終えたわたしは、大きなかごを抱えみすず旅館へと戻ろうとする。
その瞬間、とても強い風が草木を巻き上げわたしの横を吹き抜けていったのだった。

「きゃっ」

たまらずスカートの裾を押さえ固く目を閉じていたのだが、ゆっくりと目を開けてみればその風は青空へ吸い込まれるかのように天高く消えていった。
わたしは乱れた髪の毛を整えながら空を見上げる。

「この風に乗って彼の元まで飛んで行けたらいいのにな……」

わたしは小さく呟き、かごを片付けるとそのまま真っ直ぐに部屋へと向かう。
そして窓際に置いてある椅子へ腰を下ろし、ぼんやりと窓の外を眺めていた……その時だった。

「パステルお客さんだよ」

クレイがドアを開け顔だけ覗かせてわたしの方へと呼び掛ける。
わたしにお客さんだなんて一体誰だろう?
椅子に座ったまま顔だけをドアの方に向けてみると、そこにはわたしが今一番待ち望んでいた人物の姿があったのだった。

「ギア!」
「パステル」

わたしはたまらずギアの元へと駆け寄るとそのまま彼の胸の中へ飛び込んだ。
ギアはそんなわたしを優しく抱き止めてくれる。

「会いたかった……」

どちらからともなく口にしたその言葉。
気付いてしまったわたしの中の小さな恋心。

春一番がわたしの大切な人を運んできてくれた。
春はもうすぐそこまでやってきている。




■投稿者:慎季 『小さな野心
■投稿日:4月20日
■コメント:
ギアとの別れに後悔しているパステルを書いてみました
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