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みんなで共通のお題に挑戦して、二次創作しませんか? もちろん見るだけも大歓迎!!
 
 
 
 
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第5回のお知らせ
 
 
【2011/06/01 00:00】
 
 
※この記事は、6/1まで1番上に表示されます。最新の記事はこの下の記事になります。※

第5回のお題は…

「友達」

…です!!

締切:平成23年5月31日 23時59分まで

ご投稿お待ちしております♪
皆様の素敵な想像力で生み出される作品を楽しみにしておりますv


■企画について・参加する方法 → こちら
■はじめての方はまずご一読下さい → こちら


※6/1追記※
第5回は終了いたしました。
たくさんの投稿ありがとうございました!!

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ピクシー王国の勇者様【SS】
 
 
【2011/05/31 23:59】
 
 
「『パーティーにいつてきます、しんぱいしないでね。』…?なにこれ?」
例によってみすず旅館。
わたしは原稿を書き終え、立ち上がるとふと部屋のテーブルの上に置いた紙が目に入ったんだ。
これはルーミィが書いたのだろう。
この文字が読めるとは、偉い!と自分を誉めたいようなぐにゃぐにゃの文字だ。

「そういえば、ルーミィ一生懸命何か書いてたよな。」
クレイが剣のお手入れをしながら薬草を煎じているキットンを見た。
「ええ、それから部屋を出て行きましたよ。庭で遊んでるんじゃないですかね。」
「そう。」
窓の外をみるともう日暮れ前。
うーむ。もうそろそろ夕飯時だぞ。
くいしんぼルーミィの事だからほおっておいても夕飯前には部屋に「おなかぺこぺこだおう!」って戻ってくるはずなんだけど…
まだ部屋に戻ってないところをみると、遊びに夢中なんだろう。
しかたない。呼びに行ってこよう。

わたしは庭に出てルーミィを探すため周りを見渡すと薪割りをしていたノルが目に入った。
「ねぇ、ノル。ルーミィ見なかった?」
ノルは手を止めて首を横に降った。
「いや、おれ、みてない。トラップ、知っているかも。」
と木の枝の上で器用に寝転んでいるトラップを指した。
「ねぇー!トラップー!ルーミィ見なかった?」
トラップはとろんと眠そうな目でこちらを見る。
「んあ?んーそういや、シロもいねぇなぁ。一緒にどっか遊びにいたんじゃねぇか?」
「えぇぇ!?迷子になってたらどうしよう!」
「ふん、おめーじゃないから、大丈夫みてーだぜ。」
「な、何、それー!?」
「ほれ、あそこ。」
トラップが指した先には、ぽてぽてと歩くルーミィと隣にはシロちゃん。
「たらいまぁ!」
「ただいまデシ。」
「んもー!二人とも、どこ行ってたのよ!」
「ぶぅ、ルーミィちゃんとかきおき、したお!ぱーてーだお!」
ほっぺたを膨らませ怒ったルーミィは、でもすぐにトラップのほうを向いた。
「とりゃー!うしょ、おしえうお!」
「はぁぁ?」
首をかしげるトラップにシロちゃんが付け加えた。
「ピクシーしゃんたちに頼まれたのデシ!」



ルーミィとシロちゃんがピクシー王国に行ったお話、覚えてる?
このお話はその一年後、ルーミィとシロちゃんがまたまたそのピクシー王国に行ったお話なんだ。
所々は想像力で補いながらお話しますね。


*****


時間は戻り数時間前。
その時もルーミィはガラスのコップでハエを捕まえては離す遊びをまたやっていたんだよね。
この時前と違っていたのはシロちゃんとトラップは一緒に外で木の上で寝ていたこと。
んで。その外にいたシロちゃんがとあるお客さんを連れてルーミィの所に来たのだ。
そのお客さんはこの間ひょんなことでルーミィを勇者と勘違いしたピクシーのバンブーだったんだ。
いや、勘違いと言うのは間違いかもしれない。
だってちゃんとルーミィはピクシー王国で起こっていた事件を解決した勇者様なんだもの。
んで、そのバンブーがどうしてルーミィたちの所にやって来たのかと言いますと。
事件解決したお祝いパーティーが開かれる事になったから是非ルーミィとお供のシロちゃんに参加して欲しいと誘いに来たのだ。
パーティーと聞いてルーミィは大喜び。
そりゃそうだ。パーティーと言えば美味しいものたくさん食べれるものね。
「いくお!ぱぁーるぅにしんぱいかけないおうに、かきおきすうお!」
と張り切ったんだけど、まだ文字を上手く書けないルーミィ。
シロちゃんとバンブーに教えて貰いながら手紙を書いてそっと出かけたんだ。

*****

ルーミィとシロちゃんはバンブーの案内で無事にピクシー王国に着くと、そこには豪勢なパーティー会場が広がっていた。
わいわいとおしゃれな服を着たピクシーたちが踊っていたり、ごちそうを囲んでお話して楽しそうな雰囲気だ。
パーティー会場の中心には、ピクシーの女王様と隣にはギッターフロッケンが座ってなにやら話し込んでいる。
その隣にルーミィとシロちゃんのために場所が空けてあった。
「あのね、いーっぱい木のみがあったんら!」
ルーミィは目をキラキラさせながら腕で大きな円を描いて教えてくれた。

「ピクシー王国平和記念パーティーによく参られた!」
女王様はルーミィたちが座るやいなや、そう言うと、
「相変わらず偉そうにうるさいババアじゃろう!」
と隣に座っていたギッターフロッケンがゲロゲロ笑った。
これに女王様、怒り爆発!……と思うでしょ?
だけど違ったんだって。
どんな反応したと思う?

「ふん。いつも口うるさいのはお主の方じゃないか。」
とニヤリと笑ったんだって!
ギッターフロッケンはそれを聞いて少し顔を赤らめて
「うるさいわい!」
とぴょんとごちそうの並んだテーブルへ跳んで逃げたそうな。

なんだか、ちょっと女王様、性格丸くなってない?
この一年の間になにがあったんだろう…?
バンブーがこっそりとルーミィにその理由を耳打ちしてくれたみたいだけど。
ルーミィったらごちそうを一緒に食べるのに夢中になってちゃんと聞いてなかったみたい。
「んとね、ほんとはパーティーじゃないんらっていったんら。」
って教えてくれたんだけど…どういう意味かこの時は分からなかった。

*****

しばらく穏やかにみんなでごちそうを食べていた時に事件が起こった。
ピクシーの若者が青い顔でルーミィの所へやってきた。
「勇者さま、助けてください!あちらの森にごちそうの追加のために木の実を取りに行ったのですが…。」
はぁはぁと息継ぎをして、若者は続ける。
「そこに、大きな大きな蛇が暴れているのです!」
息もたえだえに助けを求めた台詞にパーティー会場が凍りついたのは明白だ。
そりゃそうよね。
数ヶ月前に大きな大きな化物(本当はシロちゃん)を倒した勇者の一人(一匹?)は蛇が苦手な蛙なのだもの!
真っ青になっている女王様にギッターフロッケンはゲロゲロ笑った。
「おいおい、お前さんが真っ青になる場面じゃなかろうに!で、その蛇はどこにいたのじゃ?」
ギッターフロッケンが若者に尋ねると、震える指で森の奥を指した。
「カエルしゃんがいた沼の方デシね。」
シロちゃんが言うと、ギッターフロッケンはうむと頷いた。
「でもあそこには……気のいい蛇しかいないはずなんじゃが。」
気のいい蛇…ってどんな蛇なんだろう?
蛙がいうのだから、よっぽどいい蛇なのだろうけど。

「うむ。ルーミィ、白いの、一緒に行ってくれるか?」
ギッターフロッケンが尋ねるとルーミィはうん!と力強く頷いて言った。
「あったりまえだおう!ルーミィ、ゆうしゃしゃまだもん!」
「わんデシ!」


****

蛇退治へ向ったメンバーはルーミィとシロちゃんとギッターフロッケンとバンブー。
そして、なんとなんと!
女王様も蛇退治に出向いたんだって!
「なぜお前さんがくるんじゃ?邪魔じゃ!」
「ふん!女王たるもの蛇ごときにビクビクしては国民に示しがつかないからの!」
「ふん!一年前はわしにビクビクしてたのに成長したのぉ。」
「ふん!一年前はお主がわらわに手をかけたからじゃ!」
「ふん!それはお前さんが無防備だからじゃ!危険意識がたらぬ!」
女王とギッターフロッケンがぎゃいぎゃいと言い争いながら歩いているのを見て、
「ねぇねぇ、ばんぶー。女王しゃまときゃえるさん、まだ仲わういのか?」
「いえ、だから、さきほど…あ、勇者どの!蛇です!」
バンブーがルーミィへの説明を途中でやめて慌てて指した先に見えるのは。

居ました居ました!
どどーーーーんと、大きな大きな蛇!

ピクシーから見たら大きいだけで、本当は小さかったんじゃないかって?
それがそうじゃないんだな。
「あのね、ルーミィよりおっきいへびさだったお!」
「でも、危険が危ないにおい、しなかったデシ。」
シロちゃんがそう言うのだから危なくない蛇だったんでしょうけど。
それでも、ルーミィより大きいなんて怖い。
断然、怖い。
色も派手派手で、なんでもとりゃーより派手で目立ってたそうだ。

それをルーミィから聞いたわたしたち。
「へぇ、トラップより派手な蛇かぁ!」
「毒蛇決定ですね!」
「うんうん。」
「おい、おめーら!ってノルも頷くなぁ!」

*****

その派手な大きな蛇、森の中で大暴れしていた。
近づくと巻き込まれて怪我をしまいそうだ。
ううん。ピクシーたちの大きさなら命に関わるかもしれない。
バンブーと女王様は真っ青な顔で、それを見ている。
「うーむ。おかしい。やっぱりあれはフックーじゃないか。なんで暴れている?」
ギッターフロッケンが首をかしげた。
「あの蛇しゃん、知り合いデシか?」
シロちゃんが尋ねるとギッターフロッケンは頷いた。
「フックーはわしの友達じゃ。」
………蛙と蛇が友達!?
そんな疑問、ルーミィとシロちゃんは思わないもんだから。

「きっと、わけがあうんだお。」
「そうデシ。聞いてみるデシ。」
と、フックーの方へ向って行ったんだって!
んもーー!想像しただけで胸がぎゅってなる。
だってだって!大きな、それも毒を持ってるかもしれない蛇が暴れてるんだよ!?

でも、ルーミィたちは無防備に近づいて(これは今度からは駄目だよと注意しておいた)、叫んだ。
「へびさーん、ろーしたんらぁ?」
「なんで暴れているデシかぁ?」
フックーはルーミィたちの声を聞いて、暴れながらこちらへ向ってきたではないか!
シロちゃんは慌ててルーミィを庇い、ウウゥーとうなる。
フックーは立ち止まって、ぶんぶんと首を降った。
そして口をあんぐりと開けて、ルーミィの方へ頭を下げた。

うげげー!怖いぞ、それ、食べられちゃうんじゃないか?ってわたしなら、思っちゃうぞ。
でも、ルーミィったらどうしたと思う?

「んもー、ろーして、あばえたの?めっ!だお!」
ルーミィはぽこんとフックーの頭をロッドで叩いたんだって!
と、どうだろう!
コロン!と喉からカラフルな石ころが出たではないか!

「あぁぁー、すんません、すんません!!助かりましたぁ!この石を木の実と間違えて飲み込んでしもうたんですわぁ!」
開口一番フックーはぺこぺこと頭をさげて謝った。
「くるしゅうて、暴れてしもうて……えろう、驚かせてすんませんなぁ。」
フックーは申し訳なさそうにルーミィたちにぺこぺこと頭を下げ続ける。
ぽかんと見ている、女王様とバンブー。
「いや、それは仕方ない。こんなものが喉に詰まったのなら、苦しかったじゃろう。」
ギッターフロッケンはフックーの体をぽんぽんと叩いた
フックーはウルウルと涙目になり、
「うわぁっぁぁーーん」
と大泣きしちゃった。

それをみた女王様とバンブーは目を合わせ、
「バンブー、ただちにこの者のためにハンカチを用意するのじゃ!」
「はっ!」
バンブーは女王様に命令され、笑顔で敬礼をして慌てて国に帰り、そして大きな布を持って戻ってきた。
しかし、フックーには手はないので、涙をふいてやるバンブー。
「ぐずぐず……えろうすんません。えぇ、ピクシーでんなぁ……。」
「いえいえ。あなたさまはガマどのの友達です。わたしもガマどのの友達、バンブーと申します。」
と笑顔で説明した。
「ガマどの…?あぁ、ギッターのことかいな。ギッターえろう友達が多いでんなぁ。」
「ふん。この歳になると友達なんてわんさかいるのは当たり前じゃ!」
ギッターフロッケンは自慢気に言った。
「しょっかー。きゃえるさんとばんぶーはともらちらからー、へびさんもばんぶーのともらち?」
「友達の友達は友達デシ。」
シロちゃんはルーミィの言葉にうんうんと頷いた。
すると、女王様も
「ならば、わらわもおぬしの友達じゃな。」
と言ったではないか!

「えぇぇ!?ちょっと待って?じゃぁ、女王様とギッターフロッケンって友達になってたの?」
わたしがルーミィたちに尋ねると、なにを当たり前のことを聞くんだというような表情で頷いた。
「らからね、ぱーてぃ、もっとごうせいなんら!」
「はいデシ。友達になったお祝いデシから、友達増えた分、豪勢になるデシ!」
「…え?友達になったお祝い?事件が解決したお祝いじゃなかったの?」
「そえは、ぱーてぃじゃないんらお。」
…ん?ん?ん?どういうことなんだ?

****

大きな蛇が大暴れ事件を無事に解決したルーミィたちは蛇を連れてパーティー会場に戻った。
ピクシーたちは大きな蛇が現れ目を皿のようにして驚くが、
「大丈夫じゃ!この者はわらわの…あー…その……友達…じゃ。」
最初は大声だったのに、段々と小声になりながらも女王様が説明するとわっとパーティー会場から拍手が起こった。
「さすがです、女王様!」
「わたしたちが密かにこのパーティーを友達お祝いパーティーとしていたことを見抜くとは!」
「そして新たに友達を招くとは!」
「…?友達パーティーじゃと?なんじゃ、それは?」
女王は疑問符を頭に浮かべバンブーを見た。
バンブーは「あ、いえ…なんでもないです!」と慌ててピクシーたちになにかを耳打ちしたのだ。

****


さてはて、こうして新たなお客様の蛇、フックーを迎え、さらに盛り上がったパーティーもお開きとなる頃。
多くのピクシーたちパーティー会場の奥からえいさほいさと何かを運び出した。
「女王様、そして勇者ギッターフロッケン殿!わたしたちからプレゼントがあります!」
「なんじゃ?」
「わしにもか?」
女王様とギッターフロッケンはなんだろうと首をかしげる。
ピクシーたちは運び出したものを一生懸命広げようとするがなかなか上手くいかない。
見かねたフックーが「わて、手伝ったるわ!」と手(口?)を貸した。
「ルーミィも手伝うお!」
「ぼくも手伝うデシ!」
ルーミィとシロちゃん、そしてフックーと多くのピクシーの手によって大きく広げられた布にはなんと!
笑顔の女王様とギッターフロッケンのイラストが刺繍してあったのだ!
「「ともだち記念日、おめでとうございまーーーす!!!」」
ピクシーたちがいっせいに叫んだ。
イラストの中には「友達記念パーティー!」と書かれていたのだ。

「そっか!パーティーじゃないって、そうか。事件解決パーティーじゃなくって、友達記念パーティーだったのね!」
「おめぇ、今気づいたのかよ?どんくせぇやつ。」
「う、うるさい!」
ぽかりとトラップを小突いた。


ルーミィとシロちゃんがピクシー王国を救った後。
あの命を救ってくれた恩人にきちんとお礼を言いたいが、しかし、照れ屋の女王にはなかなか難しかった。
なんだかんだと、沼に行ってはギッターフロッケンと喧嘩していた。
バンブーはその様子を最初はハラハラして見ていたんだけど。
途中で気づいたんだよね。
ギッターフロッケンはワガママな女王様でもなんだかんだと心配しては色々アドバイスしたりしてること。
女王様も女王様で途中から、ただ単にギッターフロッケンと話をするのが楽しくって行くようになったんだ。
そう。いつの間にか友達になっていたんだって。
バンブーは女王様とガマどのがわかりあえたことがとても嬉しくて、友達になった記念日を祝うパーティーをしようと計画する。
でも、照れ屋の女王様はそれを言っちゃうときっとパーティーをすることを認めてくれない。
だから国のみんなと一生懸命考えて事件解決パーティーと称してこのパーティーを考えたのだ。
赤い顔で照れている女王様とギッターフロッケンを暖かい拍手と笑顔が包み込んでいる。

「そして、新たに友達のフックーどの!これから女王様をよろしくお願いしますね!」
バンブーがそう言うと、フックーはにっこり笑って頷いた。
「ルーミィもきゃえるしゃんや女王しゃまや、へびしゃんとともらちらお!」
「友達デシ!」
「そうか。さすが勇者どの。では、わらわの頼み聞いてくりゃれ。」
「なんら?」
「この辺りに悪い人間が近寄らないようにして欲しいのじゃ。」
「なんれ?」
「わらわがあまりに美しいから捕まえようとする人間がいるのじゃ。」
「ふん、お前さんが、じゃなくてピクシーが珍しいからじゃ。」
ギッターフロッケンがやれやれと訂正した。
「しおちゃんとおなじらね。」
「秘密じゃないと、危ないのデシ。」
「あ、それならいい案があります!」
頭のいいバンブーはにっこり笑ってルーミィに提案を耳打ちした。
「わかったお!まかせうお!とりゃーにそうだんすうお!」
ルーミィはどーんと胸を叩いた。


****


数日後、猪鹿亭である冒険者たちがひそひそと話してた。

「ちょっとー、知ってる?ズールの森の沼があるだろ?そこに大きな大きな毒蛇がいるんだって!」
「げげ。じゃああの辺りは行かないようにしないとな。」
「なに言ってるんだよ、冒険者なら行って退治すべきだろ!?」
「いやいや、駄目だよ、なんてったって、その毒蛇、神の使いらしいぜ?」
「はぁ?なにそれ?」
「逆に見たくない?」
「ダメダメ、それを見ると、呪われるんだぜ?」
「どう呪われるんだよ……?」
「なんでも、ハエにされてガマガエルに食べられるらしいぜ…。」
「げげ!えんがちょ!」


わたしたちは目を合わせてにやりと笑いあった。


ルーミィの友達の友達はわたしたちの友達。
会ったこともないけれど、困っている友達を助けるのは当然のことだもんね。
そう、この冒険者がひそひそと話していた内容は、バンブーとそしてトラップが考えたピクシー王国を守るためのまっかな、嘘。


今日もまたズールの森のどこかでわたしたちの友達はきっと平和に喧嘩してるんだろうな。







■投稿者:MOMO 『かくれんぼ。
■投稿日:5月31日
■作者コメント:
新装版FQ7、8の短編を読んでいて、ピクシー王国の女王様とギッターフロッケンはきっとお友達になったら素敵だなと思って書きました。
読んでくださり、ありがとうございます。
 
 
 
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俺にとって・・・?【SS】
 
 
【2011/05/26 12:57】
 
 

*俺にとって・・・?*



「俺にとってのトラップ?」

突然聞かれたその言葉に、俺は首を傾げた。
目の前にいる女の子は、ただただ目を輝かせて俺の回答を待っている。

「う~ん、そうだなぁ・・・とても大切な、唯一無二の存在だな」

俺はそう答えた。

トラップは、幼馴染であり、親友であり、パーティの仲間であり、相方でもあり
かけがえのない存在だ。

生まれてからずっと一緒だったが、これからもずっと一緒だろう。
そう信じてやまない存在だ。
彼の代わりはいない。
誰も彼の代わりになることはできない。
大切な存在だ。

俺はそんな気持ちでそう答えた。

すると、その女の子は何故か頬を赤らめて「ありがとうございました!」と言うやいなや、ものすごいスピードで去って行った。

「な、なんだったんだろう・・・?」

首を傾げ、女の子が出て行ったドアを見つめていたら、リタが傍にやってきた。

「クレイ・・・」

笑いを堪えているといった顔で、俺の顔を見るリタに俺は眉を寄せる。

「どうした?」

そう聞くと「もう我慢できない!」と言って大爆笑し始めた。

「え?え?な、なにが?!」

リタがいきなり笑いだした理由がわからず、俺は目の前にいるキットンに救いを求めた。
すると、キットンは苦笑しつつ

「クレイにとってトラップというのはそんなにも大切な存在だったのですね」

そう言ってにやにやと笑いだした。
キットンがにやにやと怪しく笑うのはいつもの事だが、なんだか変な感じだ。
ますますわからない俺に、キットンは面白そうに

「私にとってのスグリも、とても大切で唯一無二の存在ですよ?」

そう言って、広げていた薬草をカバンに詰め込み、猪鹿亭を出て行った。


俺はただただ首を傾げるしかなく。
結局、後でなんとか頼んでリタに教えてもらった事に、俺はもう茫然とするしかなかった。


『あの女の子、男性同士の恋愛が好きな女の子で有名なのよ?きっと良いように誤解して今頃妄想してるわ』

ますます笑うリタに、俺はもう何も言い返す力はなく。
その後しばらくはまともにトラップの顔を見れなかった。


ちなみに、トラップにもあの女の子は同じ質問をしていて。
トラップは

『幼馴染で親友でパーティの仲間だ』

と答えたそうだ。
俺も素直に率直に、そう答えるべきだったと後悔しても後の祭りというやつで。


その後しばらくは女性が近寄ってくるだけでも身構えるようになってしまったのは、言うまでもない。







■投稿者:tomo西村 *love*
■投稿日時:5.26
■コメント

とにかく、すみませんの一言です^^;
ギリギリ投稿になった上に、こんな内容はどうかと思いつつ(汗
本当にすみません(>_<)
最近なんかもう腐女子な私ですが、決してクレトラ(トラクレ)派ではありませんっ
トラパス派ですっ!でも一番好きなのはクレイですが・・・^^;
あぁ、本当にすみませんでした!!(全力で土下座。。。
 
 
 
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最高のともだち!【イ】
 
 
【2011/04/28 16:10】
 
 
ともだち


■投稿者:MOMO 『かくれんぼ。
■投稿日:4月27日
■作者コメント:
友達、ふえるね!
ラップバードはパステルの最高の友達なのです!!

ご覧いただき、ありがとうございます。
 
 
 
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AMI~1日だけのおともだち~【SS】
 
 
【2011/04/20 21:05】
 
 
 問題:

 一生に1日。
それも、日の出ている間しか生きられないとしたら。

 あなたなら…どうしますか?



   *****



「ぱーるぅ! このおはなさんねむってるお!」
「えぇ?」
 花が眠ってる?
 一体何のことかと思って振り向くと、ルーミィが、廊下の窓際に置かれた1つの植木鉢を指差してたの。
そこには淡いピンク色した大きな蕾を持つ植物が植わってた。
「あぁ、そのお花? 重そうに首を垂らして…本当に眠ってるみたいね」
 背の高さは10センチくらいかな。
細長い葉っぱに、細い茎に似合わないほど大きな蕾ができてるせいか。
それとも、そういう風に花が咲くのかはわからなかったけど、茎が途中から下を向いているの。
 ルーミィが「眠ってる」なんて言うもんだから、本当に人間が居眠りしてるように見えちゃった。
「なんていう名前のお花なんデシ?」
「うう~ん……わかんないなぁ。見たこともない花だし」
 シロちゃんに聞かれたわたしは、首を傾げる。
だって、言った通り、本当にはじめて見る花だったんだもん。
それじゃあ、それ以外に答えようがないでしょ?
 でも、そう言ったせいでキラキラとしていた黒目がみるみるうちに沈んでいくもんだから、わたしは慌てて続けたんだ。
「あ! あ、あ、でもねっ! キットンに聞けばわかるわよ。だって、このお花、キットンが買ってきたんだもん」
「じゃあ、後でキットンしゃんに聞いてみるデシ」
 それを聞いたシロちゃんはパッ表情を明るくしてそう言うと、旅館の階段を器用に駆け下りて行くの。
丁度、猪鹿亭へ行こうとしてたところだったから、わたしもルーミィと一緒にその後を追った。



 次の朝。
廊下に出たわたしたちを1番に出迎えてくれたのは、太陽に向かって大きく花開いたその花 ―― ヒトヒソウだったんだ。
「きえいだお!!!」
「ホントデシ!!」
「こんなきれいな花、今まで見たことないわ」
「そうでしょうそうでしょう!! この花はとても珍しい花なんですよっ!!!」
 2人と一緒にそのピンク色の花を見つめていたら、横から大きな声が響いた。
顔を向けると肩からいつものバッグをかけたキットンが胸を張って立ってたの。
 目はボサボサの髪で全く見えないけど、得意そうな口元がかなり興奮していることを教えてくれる。
 珍しい、というのは本当なんだと思う。
だって、今まで名前すら聞いたことないんだもん。
 昨日まで下を向いていた花も、今は太陽を向いて花開いてるしね?
その5枚の花びらは扇形して広がってるんだけど…その内側から2本。
ううん、2枚って言ってもいいのかな。
細長くてクルクルカールしたリボンみたいなものが地面につきそうなくらい垂れ下がってるの。
 小さいころに見た植物図鑑にもこんな花、載ってなかったよ。
 じっくり花を観察していたら、今度は気持ちの悪い笑い声が聞こえてくる。
「ぐふふふふ……それに、ヒトヒソウはとても不思議な花なんです!!」
「不思議デシ?」
「そうです。日が沈めばわかると思うのですが……」
 不思議?
日が沈めばわかる?
 一体どういうことなのか聞こうとキットンの肩を掴もうとしたら、
「……あぁ、いけない! そろそろバイトに行かなければ遅刻してしまいます!」
急に我に返ったキットンはバタバタと階段の方へ走っていってしまうの。
「ちょ、ちょっとキットン! 謎だけ残して行かないでよ!!」
「あぁぁぁ…す、すみません。帰ってから説明しますから」
 降りかけた階段から顔だけ覗かせて言うキットンは本当に焦ってるみたい。
落ちそうな細い段の上で足踏みを続けてるんだもん。
 もぉー……仕方ないか。
「…絶対よ!」
「ぜったいお!」
 ため息を付きながらそう言ったわたしを真似てルーミィにまで言われてしまったキットンは、
「は、はい! 行ってきますっ!!!」
ボリボリと頭をかきながらそれだけ言い残して走って行ってしまった。
「いってらっしゃいデシ!」
 シロちゃんのその声が彼に届いてたかは……帰ってきたときに聞いてみようかな?



 今日はとってもいい天気。
変わりやすい春の天候だけど、雲ひとつない快晴!
 バイトもないこんな日に出かけないのはもったいない、と思ったわたしは、お弁当を持ってルーミィたちと近くの原っぱに遊びに来たの。
 いろんな春の花が咲いていたけど、淡い紅色したレンゲの花がとてもきれいでね。
その甘い香りに誘われて、昆虫たちも顔を出してた。
「ぱーるぅ! このわたげ、とばしていいかぁ?」
 目をキラキラさせてタンポポの綿毛を見つめるルーミィに、ふと懐かしい風景が重なった。
 まだわたしがルーミィくらい小さかったころに、同じこと聞いたことがあったのを思い出したんだ。
 わたしは、あたたかい記憶に自然と笑いながら頷いた。
「いいよ。ただ、ふーってやっても飛ばない子はだめよ」
「何でデシ?」
「その子たちは、まだお母さんと一緒にいたいって言ってる子なの。それなのに無理矢理飛ばしたらかわいそうでしょ?」
 不思議そうに首を傾げるシロちゃんたちにそう言うと、
「かあいそう!!!」
「やめるデシ!」
とたんに綿毛を取ろうとしていた手を引っ込めちゃった。
 その反応に、思わず笑っちゃった。
だって、ちっちゃい頃のわたしと全く同じ反応してるんだもの。
 実はさっきの言葉。
昔、お母さんがわたしに言ったことなんだ。
 きっと、生き物を大切にできる子になってほしいって思ったんだろうな。
 ……今になって母さんの気持ちがわかって、ちょっと寂しいけれどなんかすごく嬉しかった。
 多分、どれを飛ばしていいかわかんなくなっちゃったんだろうね。
そばにあるたくさんの綿毛を見つめたまま固まってる2人の前で、半分ほど綿毛のなくなっているものをプチンとちぎって見せる。
「ほら、これなんかいいんじゃない?」
 ルーミィの目の前に差し出して、息を吹きかけるように促す。

 ふぅ―――……っ!!

 ふわり、ふわり。
風に飛ばされて辺りに広がったそれを目で追うと、その先に1人の男の子が立ってたの。
 ルーミィよりちょっと大きいくらいかな。
サラサラのピンク色の髪は耳にかかるかかからないかぐらいの短さなんだけど、後ろ髪の左右の一部ずつが長くって。
そこがクルクルカールしてて、ちょっと可愛いの。
 わたしたちの視線に気づいたその子は、目を丸くするといきなり走り出して少し離れたところにあった木の陰に隠れちゃった。
 あらら…恥ずかしがり屋なのかな?
 あまり見たことのない反応に微笑んでいたら、クイと手を引っ張られる。
その方向を見ると、ルーミィがじっとわたしを見上げてたの。
 何も言わなかったけど、わたしにはわかったんだよね。

 あの子のところに行っていい?

…って、聞いてるんだって。
だから、1つ頷いて背中を押してあげる。
 するとルーミィはシロちゃんと一緒に、男の子が隠れた木のところまで行くとニッコリと笑いかける。
「いっしょにあそぶお!!」
「わんデシ!」
 しばらくは何の反応もなかったんだけど、ルーミィが手を差し伸べると……彼はそれをギュッと握って木の陰から出て来てくれたんだ。



 もう、そこからわたしはほとんどお役御免。
2人と1匹で原っぱ中を駆け回って遊んでるのを、のんびり日向ぼっこしながら眺めてた。
 旅館で作って来たサンドイッチも一緒に食べて、やっとそのとき色々話が聞けたんだ。
とはいえ、わかったのは名前くらいなんだけど。
 だって彼 ―― メイト君、聞いても詳しいこと教えてくれないんだもん。
 小さいから仕方ないのかもしれないけど、どこに住んでるのかすら話してくれないんだよ。
まぁ、きっとシルバーリーブの子だと思うけどね。
だって、そうじゃなきゃこの原っぱに1人で遊びになんて来れないでしょ?



 でも…子どもってなんでこんなに長い時間遊んでられるんだろうね。
それっくらい、虫を追いかけたり花を摘んで遊んだりゴロゴロと草まみれになって転がったり……。
 原っぱをこれでもかって言うほど満喫したルーミィたちは、もうちょっとで日が暮れるころにわたしのところに戻って来たの。
「ぱーるぅ! こえ、しばって!」
 そうやって差し出されたのは、まだ綿毛になってない茎の長いタンポポが1本。
「縛るって…どうするの?」
「うであにすうの!」
 あまり丈夫な茎ではないから、もしかしたらちぎれちゃうかも…なんて考えながらも、頷いたわたしは、ルーミィの腕から抜けるくらいの大きさでそれを縛ってあげた。
それをじーっと見ていたルーミィは、お礼もそこそこにメイト君の方へ行くと、もう1本タンポポをちぎって今度は彼の腕にそれをつけ始めた。
 けど、小さなその手じゃまだまだ難しいみたいで。
1本、また1本と失敗作が増えていく。
 それでも諦めないルーミィに近づいたわたしは、そばでどうしたらいいのか声をかけてあげながら、それが成功するのをじっと見守ってた。
「こえ、めーとにあげうお!」
 満足そうに微笑むルーミィの視線の先には、メイト君の腕にしっかりと結ばれたタンポポの腕輪。
「あ、ありがとう」
「おとおだちのしうしだお!」
 ルーミィにそう言われたメイト君は驚いたように目を見開く。
「……ともだち?」
「うん!」
「わんデシ!」
 そんな彼の様子を全く気にしていないルーミィたちは、ニコニコ顔で頷いて見せる。
それをしばらく無言で見つめていたメイト君は……
「ありがと」
……ふわり、花が綻ぶように微笑むと、すっかり暗くなってきた周囲に溶けるように消えてしまったんだ。



「やはり、このヒトヒソウにまつわる話は本当だったんですねぇ~」
 そう感慨深く頷くキットンの腕には、すっかり花の萎れたヒトヒソウの鉢が抱えられている。
「この“一日草”はですね、一生に1日。それも日の出ている間にしか咲かない花なんです。ですから子孫を残すのがとても大変でしてね。色々と植物学者の中で研究がなされているんですが…同じ時期に花が咲くように人工的に育てても、何故か必ず1つずつ、別々に咲くんですよ。それで、種ができるか出来ないかはまちまち。その上、できた種の色は他のものと同じとは限らない」
「えぇ!? 種の色が違うの!?」
 わたしは思わず声を上げた。
どれも興味深いことばっかりだったけど、そこが一番驚いたんだもの。
 普通、どんな植物でも、花の色が違うことはあっても種は大抵茶色か黒で、みんな同じでしょ?
 面白そうに頷いたキットンが続けて説明してくれる。
「そうなんですよ。ヒトヒソウの種はこれから咲く花の色と同じ色をしているんです」
 これから咲く花の色と同じ……?
「ってことは…この花はピンク色の種だったってこと?」
 ご名答、とでも言うように指を立てたキットンは満足そうに笑うの。
「青い種からは青い花。赤い種からは赤い花が咲きますよ。でも、更に不思議なことに、次にできる種が花の色と同じことは…滅多にないんです」
「え?」
 言いながら、しぼんだ花びらの中をかき分けるキットンの指の先を見ると……そこには、小さな小さな黄色の実がなってたの。

 そう。
まるで、その花の茎に“はめられた”腕輪のタンポポの花みたいな色。

「最近このヒトヒソウの研究において名を聞かれるようになったフレッド博士によるとですね。この花は短い生の中で“ともだち”を探しているんだそうですよ。それが得られた花はその“ともだち”色の実と種を残すんだそうです。まだそれが学会で認められたというわけではないのですが…今回のことを考えると、それが本当なのかもしれないですねぇ。まぁ…この花は、学名より俗名の方が有名なくらいですからね。このことを知っている人が案外世界中にたくさんいるのかもしれないですねぇ~」
「俗名?」
 キットンは、首を傾げたわたしにゆっくりと頷く。

「“AMI”……外国の言葉で“ともだち”と言うんですよ」




 あ、余談だけどね?
あのあと家に帰ったルーミィが、ヒトヒソウを見て、
「めーと、かえってきてたんら!」
って言ってたの……わたし聞いちゃったんだよね。

 も、もしかして……ルーミィには最初からわかってたのかな?
メイト君がこのお花だったって。


 ま、まさか……そんなことない、よね? ね?



   *****



 問題:

 一生に1日。
それも、日の出ている間しか生きられないとしたら。

 あなたなら…どうしますか?



 答:

 ともだちを作る






■投稿者:リューラ・F・カートン 『黒の書
■投稿日:4月20日
■作者コメント:
この話は、まだみすず旅館で生活していて、ルーミィが花や風と話したりその姿が見える…ということは知らない頃のお話としてお読みいただければ、と思います~。

「友達」のお題から一番最初に想像したのは、ルーミィやシロちゃんと遊ばせてあげたいな…ということでした。
ふっと浮かんだヒトヒソウの設定からこんな風な感じになりましたが、どうだったでしょうか?
自分の中ではお気に入りの作品になりました♪
 
 
 
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優しい記憶【SS・トラパス】
 
 
【2011/04/18 10:53】
 
 
――あの日、繋いだ手の感触を、私は今も覚えている。


グレーの便箋には、どこか角ばった特徴的な文字が並んでいる。
柔らかさにかける文字とは対照的に、そこには、
私を心配してくれる、温かい言葉ばかりが連なっていた。

送り主の笑顔が頭に浮かんで、我知らず笑みがこぼれた。

「なーにを一人でニヤニヤしてんだよ。」

……っ?!


ノックもなしに部屋に入ってくるトラップは、
盗賊の習い性なのか、足音もたてずに歩くから、時々こうして私を驚かせる。
心臓に悪いからやめて欲しいんだけど、何度言っても聞きやしない。

「もう、ノックくらいしてってば!」

思わず手紙を本の下に押し込みながら睨みつけると、
全く反省の色がない表情で、ひょいっと肩をすくめてみせる。
その目が、私の手の動きを追って、わずかに細められていた。

「…ラブレターでも読んでたのかぁー?」

鋭角的過ぎるとはいえ、実は意外と整っている顔に、
お得意の意地悪な片笑いを浮かべて、こちらを見下ろしてくる。
トラップも、今やかなり背が高くなったから、見下ろされるとちょっと威圧感がある。
でも、悔しいから、絶対に私から目を逸らしてやらない。

「関係ないでしょ。」

一人感傷に浸っていたのを感づかれたくなくて、ちょっと無愛想な声になる。
思った通り、気分を害したらしく、フンっと鼻をならして行ってしまった。

いつものことだし、まあいっか、とドアを閉めようとすると、
途中で振り返ったトラップが、乱暴に昼メシ!とだけ言ってよこした。
どうやら、ご飯に呼びに来てくれたらしい。
ちょっと悪いことしちゃったかも…。


結局、その後もトラップは機嫌を損ねたままで、
夕飯が終わっても、ほとんど私とは口をきこうとしなかった。

クレイやノルが、どうしたんだ?と心配そうな視線を向けてくる。
私達には前科があるから、余計に心配なんだろう。
うーん、あの時は本当に迷惑かけたっけ。

トラップは食後のお茶もそこそこに、二階に引き上げて行ってしまった。
後を追おうか迷っていたら、キットンのやたらと呑気な声に引き留められた。

「ところで、パステル。締切は良いんですか?
一日家にいたようですけど、今日が入稿だったのでは?」





「…あーっ!!!!!」

キットンの言葉が、頭の中で意味を成すまで、しばらくかかった。

締切まで余裕があったから、ゆっくり推敲してから持って行こうと思ってたんだった!
四日前には書き上がっていた原稿を、手元に溜めたままだったことを思い出し、
慌てて部屋に駆け戻ると、原稿を引っつかんで猛ダッシュする。
印刷屋のご主人の、人のよさそうな顔が思い出されて、申し訳なさでいっぱいになった。


陽が落ちきった後のシルバーリーブは閑散としていて、
時折近くの家々から団欒の声が漏れ聞こえる以外は、静寂に沈んでいる。

すでに印刷屋の奥にある自宅に引き上げていたご主人は、
ギリギリセーフですね、なんて笑ってくれたけれど。
何度も頭を下げながら原稿を預け、ようやくほっとして帰路についた。

まだ少し肌寒く、虫の声も聞こえない夜。
自分の足が地面を踏みしめる、サクサクという音だけが、やけに響く。
何だか、一人だけ取り残されたような気分で、急に心細くなった。

――心細さが、あの夜を思い出させる。

弓形の細い月の明かりは、足もとを照らすには不十分だった。
ポタカンでも持ってくるんだったな、と思ったけれど、今さら遅い。

そして、気が弱くなっている時に限って、厚く垂れ込める暗色の雲が、空を覆いつくすのはなぜだろう。
自分のつま先さえ、遠い薄明かりを頼りに、何とか見える程度だ。
大きな闇に呑み込まれてしまったようで、足がすくんで動けなくなった。



「おい、パステル。」

暗がりに浮かぶ、背の高い男の子の影が、聞き慣れたトラップの声で喋る。
彼は足音もないまま、私のすぐ側までやってきた。
すらりと長い手足が、大股で歩くごとに影を揺らす。
安堵した途端、気が抜けて、その場に座り込みそうになってしまった。

「…何やってんだよ。」

呆れた声。
次いで、手を引かれる温かい感触。

暗い雲が風で流され、細い月が再びのぞいた。
弱い月光の中でも、不思議と鮮やかな赤茶の髪が目に入る。
垂れ込めていた雲を吹き晴らしたんじゃないかと思うくらい、強い生命力を湛えた瞳が、
月光を反射して一瞬輝いた。

「おら、いくぞ。」

助け起こしてくれた手を、そのまま引いて歩き出す。
わざわざ心配して来てくれたんだろうか。
クレイ辺りに、行ってこいって言われたのかもしれない。
でも、機嫌直してくれたんだなって思ったら、嬉しくなった。

彼にはこの暗さも苦にならないらしい。
大股でスタスタ歩いていくトラップについて行こうとすると、自然と早足になった。
人差し指から小指までを、いっしょくたにグイと引っつかむような乱暴な繋ぎ方だったけれど、
繋いだ手の感触が確かだと思うと、夜の静寂も闇も、不思議と恐ろしくはない。
ピクニックでもしているような気軽さで、夜道を歩くのが楽しくて、
もっとゆっくり歩いてくれれば良いのに、と思った。

そんなことを思っていたせいか、自然と私の歩みは遅くなり、
気づくとトラップの手を後ろに引いているような格好になっている。
立ち止まったトラップが、怪訝そうに振り返った。
目を細めて、探るような表情で、じっと私の顔を凝視している。
なぜかちょっとドキリとした。


遠くに我が家の明かりがぼんやりと見えている。
時間差で気恥ずかしさに襲われて、目を逸らそうとしたら、
同じタイミングでフイっとトラップも視線をはずした。


手を引いて再び歩き出した彼の足は、わき道の方に逸れていった。
家はもうそこに見えていて、私でさえ迷いようがない。
それでも、見慣れた家から離れていくトラップに、何か言おうという気にはなれなかった。
夜闇のお散歩が、何だか楽しくて仕方なくなっていた。

一人分の足音が、二人分の影を連れて進んでいく。
そっと握られた手の感触が、懐かしい記憶を呼び起こした。


――冒険者になると決めた時の、ダイナの顔がよみがえる。
それはもっと柔らかく、子どもらしい温かい手だったけれど。

虫の声さえ聞こえないあの夏には、ただ悲しみと失望ばかりが満ちていた。

街を出ると告げた時、不安そうな顔をしたダイナが、
私の手を引いて歩いた“道”には、今では立派な家が建っている。
あの恐ろしい夏の爪痕は、もうガイナの街には見当たらない。
ただ、残された人たちの胸の中にだけ、その傷跡は消えぬまま存在していた。

特殊技能も何もない、ただの女の子が、冒険者になろうだなんて、
今思えば、なんて無謀だったんだろう。

運よくクレイやトラップに出会えたから良かったものの、
そうでなければ、私は厳しい現実だけを両手にガイナへの道を帰っていたかもしれない。
もっと悪ければ、途中でモンスターの手にかかって死んでしまっていたかもしれないんだ。

言い出したら聞かない私のことを、ダイナがどれほど心配してくれたのか。
両親をモンスターたちに奪われたばかりの彼女に、
友達まで失うかもしれない恐怖を突きつけてしまった、当時の私の惨さを、ダイナは黙って受け入れてくれた。

日々の生活で忙しく、そもそも筆不精な彼女が時々くれる手紙は、
懐かしくて、切なくて、それでも優しい気持ちにさせてくれる。

そして、私は必ず思い出す。
あの日、繋いだ手の子どもらしい温かさと、柔らかい感触。
何とかやっていけるんじゃないかっていう、根拠のない安心感を。


なんて、感慨にふけっていたら、足もとがおろそかになっていたらしい。
大きな木の根っこにつまづいて、思いっ切りよろけてしまった。

呆れたようなため息で、繋いだ手に力が込められる。
細くて長いけれど、骨ばっている男の子の手。
私の手を丸ごと包んでしまえるくらい大きな手が、倒れないようにと、私を引き寄せてくれた。

子どもの頃のダイナみたいに、体温は高くないのに。
トラップの手そのものは、少しひんやりとしているくらいなのに。
何故か、繋いだ手を伝って、温かい安堵感がのぼってくる。

「何だか…ダイナみたい。」

おかしくなって、クスクス笑っていると、薄闇の中から近づいてきた顔が、
困ったような、不思議そうな顔でこちらを見つめていた。

「トラップも会ったでしょ?ガイナに来た時に。」

突然出てきた名前に首を傾げていたトラップだったけど、ややあって、ああ、と頷いた。

「彼女とも、こうして、手を繋いで歩いたなって。……チャクデスの行進の後にね。」

骨ばった指が、繋いだ手の甲をリズムを取るように、トントンと軽く叩いた。

トントン、トントン。

トラップは黙っている。
ただ、その仕草が大丈夫、と言っているようで、思わず涙ぐんでしまった。

「あんな酷いことがあって…みんな、いろんなことに絶望してて、今日明日を生きるのに迷って。
だけど、こうして歩いてるとさ、根拠もないのに、何でか大丈夫っていう気がしたんだ。
温かくて、安心するのかな。」

どうしてトラップにこんな話をしようと思ったのか分からないけれど。
今のトラップなら、笑ったり、呆れたりしないで、聞いてくれるような気がした。

「今朝ダイナから手紙が来てね。急に色々思い出しちゃった。
 …あ、そうだ。昼間はごめんね。
いつまでも昔のことでグズグズしてるみたいでさ。ちょっと気まずくって。」

つい、ごまかすように笑った。

トントン、のリズムは狂わずに続いている。
トラップは相変わらず無言のままだ。
思案顔で私の顔の右斜め上を見ていた。

「……ダイナみたい、か。ま、良いけどよ。」

呟いた声はそう聞こえたけれど、トラップはあらぬ方を向いたままで、
それがどういう意味なのか、私には分からなかった。


「よし、あの木のとこまで周って帰るぞ!」

ぼんやりとかすんで見えるトラップの顔が、いたずらを思いついた子どもみたいに輝いた。
明かりの灯る我が家とは反対側に、大きな大きな木が見えている。
すごく古くからある楠で、確か、守りの木とか呼ばれているんだったかな?


大きな楠は、夜空の雲を突くように、高く高く、枝を伸ばしている。
太い幹は、村はずれの草地に堂々たる姿を見せているはずだ。
けれど、今は月が隠れているせいで、黒くわだかまる影にしか見えない。

巨大な木は、奇怪で恐ろしげな影を、遠く私達の足元まで投げかけていた。
一歩一歩進むごとに、斜め前を歩くトラップの姿が、長い影の中に入り込んでいく。
それなのに、今は口を開けて待ち構える、その大きな影も全然怖くなかった。

繋いだ手の確かさが、曖昧な不安を呑み込んでいく。

知らず、力を込めていた手を、トラップが握り返した。
トントン、とリズムを取っていた人差し指が絡んで、私の手とトラップの手が、
おまじないで印を結ぶみたいな、不思議な形を成す。


そうしてたどり着いた大きな楠の下は、顔を出した月の光さえ遮る、真っ暗な影の中だった。
温かさに満ちた私には、安らかですらある夜の闇。
その闇の中で、私たちは無言のおまじないをかけた。

かすかな気配がして、トラップが笑う。
暗闇で見えなくても、そうと分かった。



あの日、繋いだ手の感触を、私は今も覚えている。

穏やかで安らかな闇の中で、繋いだこの手の優しさを、私はきっと覚えているだろう。






■投稿者:美月 『Brightest Antares
■投稿日:4月16日
■作者コメント:
お題ギリギリな感じですいません。パステルの友達感って何となく難しいですね。。
少し曖昧な雰囲気を狙ったら、意味不明な感じに仕上がってしまいました…。
 
 
 
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