みんなで共通のお題に挑戦して、二次創作しませんか? もちろん見るだけも大歓迎!!
 
 
 
 
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第4回のお知らせ!
 
 
【2011/04/01 00:00】
 
 
※この記事は、4/1まで1番上に表示されます。最新の記事はこの下の記事になります。※

第4回のお題は…

「girl(s)」

…です!!

締切:平成23年3月31日 23時59分まで

ご投稿お待ちしております♪
皆様の素敵な想像力で生み出される作品を楽しみにしておりますv


■企画について・参加する方法 → こちら
■はじめての方はまずご一読下さい → こちら


※4/1追記※
第4回は終了いたしました。
たくさんの投稿ありがとうございました!!

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girl……?
 
 
【2011/03/31 11:42】
 
 
とらがーる


■投稿者:MOMO 『かくれんぼ。 』
■投稿日:3月28日
■作者コメント:
「これなら、参加できますわよね!おーほほほほほほ!!!」

girl(s)に参加しようとしているマドンナさん。
だが、マドンナさんの設定的にgirlに入れるのかどうか…謎なのである。

ご覧いただき、ありがとうございます!


 
 
 
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Dera my girl【詩・ルシロ】
 
 
【2011/03/24 14:03】
 
 
抱きしめるその腕も
触れるその髪と頬も
耳に届くその声も
笑いかけるその顔も

僕だけのものじゃないけど

僕はそれが大好きなんだ


いつまでも
君が君でいられるように
僕はずっとそばにいて
君を守るよ


だからいつか

抱きしめるその腕も
触れるその髪と頬も
耳に届くその声も
笑いかけるその顔も

僕だけのものになるといいな


僕は君が大好きだから





■投稿者:リューラ・F・カートン 『黒の書
■投稿日:3月24日
■作者コメント:
お題が「girl(s)」だからって、別に女の子にこだわらなくてもいいよな?
…なーんて想像から生まれた詩です。
今よりも成長したシロちゃんをイメージしました~。
『大切な女の子』に捧げる想い、が少しでも伝わればうれしいですv
 
 
 
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○×記念日【SS・トラパス】
 
 
【2011/02/17 17:27】
 
 
トントンと階段を降りてくる足音で、私たちは我に返った。

「おめら、まだやってたのかよ。よくもまあ、そんなに喋ることがあるな。」

眠たそうな半眼でリビングにやってきたのはトラップだ。
寝起きなんだろう。ゆったりした丈の長い上下をだらっと着て、肩より長い、赤い髪を垂らしてる。
寝癖がついて、後ろ頭の辺がぴょこっと触覚みたいにハネている。
ボリボリと背中を掻く仕草はひじょーにだらしなかった。

「あ、ごめん。うるさかった?」

ふと周りを見回してみると、すっかり真夜中の気配。
雪こそ降っていないけれど、ちょっとした隙間から吹き込む風が冬の匂いをつれてくる。

髪を下ろしていつもとは別人みたいに見えるリタも、ちょっと驚いたような顔をしていた。
時間を忘れるというのは、こういう事を言うんだろうね。

久しぶりにリタが泊まりにきていて、この間のクエストのことだとか、途中で立ち寄った街の素敵なお店のこととか、話は尽きず。

猪鹿亭に行けばいつでも会えるんだけど、やっぱり彼女は仕事中だからね。
こうして、自由に話せる時間は貴重なんだ。
おかげで調子に乗り過ぎちゃったみたい。

「べつにぃー。喉渇いちまってよ。」

トラップが欠伸を噛み殺しながらごにょごにょ言う。
(実際は、べふにぃー。のおかわいひまってお、という感じだった。)

彼はだらけ切った様子でこちらにやってくると、二人がけソファに体を投げ出した。
左半分に私が座っているから、当然トラップは空いてる方の右側。
ニョキニョキと急に背が伸びた、大きな彼の体を支えて、スプリングが音を立てて沈み込む。 反動で私の体が一瞬だけ浮いた。

「また飲み過ぎたんじゃないの?ホットミルク飲む?」

私が立ち上がると、おーとも、んーともつかない(たぶん)肯定の返事をした。

どうせだから、と三人分のホットミルクを入れてソファに戻る。
ちょっとだけシナモンを利かせたホットミルク。
私とリタの分には、さらに特製のはちみつをたらしてある。
トラップはそんなに甘いの好きじゃないからね。

「おめえ、良いのかよ。明日早いんじゃねえの?」

「ん?明日は昼からにしてもらったから良いのよ。だって、今日は私とパステルの親友記念日なんだから。」

リタはにこにこしながら、向かいの一人掛けソファでホットミルクを飲んでいる。
そう、今日リタが泊まりにくることなったそもそもの理由は、私とリタの出会い記念日だからなんだ。

初クエストだ!って張り切って挑戦したクエストで
(ぢつは骨折り損のくたびれ儲けクエストなんていうのに引っかかっていたんだけど)
泥だらけになったボロボロの私たちがこのシルバーリーブにやってきた日。

積もる話に花を咲かせていたら、そりゃ時間も忘れちゃうよね。

「けっ。…ったく、女ってのはどうしてそうくだらないことばっか覚えてやがんだかな。」

トラップは心底バカにした顔でマグをあおった。

「何よ、乙女心の分からない人ね。」

「ホント、ほんと!トラップなんかについて回る親衛隊の子たちの気が知れないわ!」

私とリタに口々に非難されたトラップはものすごく不機嫌そうに、ふんっと鼻をならす。
勢いで言い募ろうとする私をリタが止めた。

「ほら、でも、あんたたちの結成記念だってもうすぐでしょ?」

そうなんだよね。私たちパーティの結成記念って、本当を言うと明日、もう今日?なんだけど、ノルが加わったのは寒い冬が明けてからだったでしょ。
せっかくだから、お祝いをするのはノルと出会った日にしようってみんなで決めたんだ。
何だかんだ言って、一番楽しそうにはしゃいでるのは、いつもトラップなんだから。

「そうそう、猪鹿亭でお祝いさせてもらうんだから。」

「へいへい、分かってますよ。ったく、女が集まるとロクなことになんねぇな。」

トラップは不機嫌そうにぶちぶち呟きながら、ホットミルクの残りを空けると、
さっさとリビングを出て行ってしまった。

その背中には、はっきりくっきり「やってらんねー」と書いてあった。

「あらら、ご機嫌損ねちゃったかしら。」

その言葉とは裏腹に、リタは何だか楽しそうだ。
ニコニコというか、何か企んでそーって笑顔。

「大丈夫よ。明日にはきっと覚えてないって。」

気安く請け負った私に、彼女は何とも形容しがたい、微妙な苦笑を浮かべた。

「…苦労するわね…こりゃ。」

「えー?まあ、いつものことだから。」

小さく呟かれた言葉に笑って応じると、今度は肩をすくめてみせた。
何なんだろう?変なリタ。




---------------------------------------

「ねえねえ、トラップ。赤いのと黄色いのどっちが良いと思う?」
隣に立つトラップに聞いても、ああ、とか、おう、とか要領を得ない返事ばかり。

「もうっ、トラップってばっ。」

ポカっとその肩を叩くと、ようやく嫌々ながらこっちを見てくれた。

「リタにお土産なんだけど、どっちが良いと思う?」

エベリンなんて珍しくもなんともねぇじゃんか、とぶちぶち言いつつ黄色い方を指差す。
そりゃあ、そんなに遠く離れた街じゃないけど、シルバーリーブからほとんど出ることのないリタだから、せめてお土産くらいは買っていってあげたいじゃない。


ようやく温かい日差しが顔を出すようになった初春のころ。
冬の間バイトに精を出していた私たちは、次の冒険に備えて買い出しなんかをまとめて済ます為に、みんなでヒポちゃんに乗ってエベリンまでやって来ていた。
食料品の買い出し担当だった私たちは、待ち合わせの時間よりもずいぶん早く済んでしまったんだよね。
そうそう、私たちのパーティ結成記念用に、ちょっと奮発して食材を買い込んだんだ。
当日はリタたちと一緒に、猪鹿亭の厨房を借りて、私も腕をふるっちゃうもんね。

で、買い出しは終わったんだけど、トラップは暇にさせておくと、じゃあちょっとカジノにでも…とか言い出しそうだから、こうして私の買い物に半ば無理やりつき合わせてるっていうわけ。

ずらっと並ぶ露店の一つで見つけた、寄り合わせた糸を編んだアンクレット。
グラデーションに染められた糸が綺麗なの。
リタって仕事柄、指輪とかブレスレットとかって出来ないじゃない?
せめて足元くらいはオシャレさせてあげたいなって。

本当はその横のやつが可愛いなって思ったんだけど、ちょっとお財布から悲鳴が…。
同じようなアンクレットに小さな宝石がついてるやつでね。
光の当たる角度によって色が変わって、キラキラ輝くのがすっごい綺麗。
で、お値段もまあ……0が一個違う。

仕方ないよね。それに宝石がついてなくても十分可愛いし。
チェックの包装紙で綺麗にラッピングされたアンクレットをほくほくとリュックにしまう。
横目でそれを見ているトラップは相変わらず呆れた顔をしていた。



「よし、買い忘れはないな?」

ヒポちゃんに乗り込む私たちに、ママと化したクレイのチェックが入る。
はーい、と元気よく答えた私たちを見回すと(たぶん全員いるか確認したんだろう)、運転席のトラップにGOサインを出した。

久しぶりに外を走れるヒポちゃんはご機嫌で、変なきまぐれも起こさず、快調にとばしてくれた。
髪をなぶる風はまだ少し冷たかったけど、村に篭りきりでバイト三昧だった冬の終わりを思うと、だんだんわくわくしてくる。
ルーミィも久しぶりの遠出が嬉しいらしく、きゃっきゃっ言ってはしゃいでる。
まあ、ものの数分で夢の中に誘われていっちゃったんだけどね。

道中モンスターに襲われることもなく、シルバーリーブの我が家まであっという間だった。


「ふあー…今日の夕飯当番誰だっけー?」

「ふはー。えーと、確かパステルじゃなかったですか?」

なんて、欠伸まじりに呑気極まりない会話をしながらヒポちゃんを降りてくみんな。
あ、でも、もちろんクレイのことだから買い込んできた色々の荷物は運んでってくれたよ?
ルーミィは結局熟睡したままで、ノルが抱っこしてってくれた。

夕陽が橙色に染めるシルバーリーブは一種幻想的で、思わず見とれてしまうくらい綺麗だった。

今日の夕飯は何にしようかなーなんて考えてたら、ヒポちゃんを小屋まで連れていこうとしていたトラップが、ひょいっと片手で私に手招きした。
一つに束ねた彼の髪は、橙の光の中でいっそう鮮やかに輝いている。

「トラップ?どうかした??」

あわてて後を追いかける。
横に並んでトラップの方を覗き込むと、これ、と彼が右手に提げていた紙袋からヒポちゃんのおやつを取り出した。

「あ、そうだね。久しぶりに頑張ってくれたもんね。」

ヒポちゃんをつないで、トラップが干し草のベットを整えている間、私はヒポちゃんにスティック状のおやつを食べさせてあげた。
ヒポちゃんは、パタパタと激しく尻尾を振りながら、ものすごくおいしそうにたいらげていく。
んー、可愛いーっ。


「おつかれさん。」

玄関に向かおうとしたら、トラップにしてはめずらしいことを言いながら、ポンっと頭をたたかれた。

まさか何か企んでる?と言おうとしたんだけど、頭のてっぺんから何かが落ちてきて、そっちに気を取られてしまった。
あわてて両手で受け止める。
どこかで見たようなチェックの包装紙。

「何、これ…?」

ポカンとして見上げると、トラップはきまり悪そうに頬を掻いている。

「あーと…その…192日記念。」

「は?」

言われたことの意味が全然分からなくて、頭上をはてなマークが飛び交う。

「だあら、192日記念。出会って192日目の記念。」

トラップは片手で顔の下半分を覆いながら、やけくそのように繰り返した。
意味不明ながら、ぼんやりしたまま考える。
私とルーミィがトラップとクレイの二人に会ったのは夏の終わり頃でしょ。
で、今が初春。
ひぃふぅみぃ…。
確かに190日くらいかな……?

「…な、なんで192日…?」

さらに混乱してきた私を、トラップは怖い顔で睨みつける。とはいえ、顔が赤いから、照れてるんだってわかったけど。

「…女ってのは、なんたら記念っつーのが好きなんだろ。」

そっぽを向いた顔は夕陽のせいも相俟ってもう真っ赤っかだ。
何か誤解がある気がするけど…。
そりゃ、何かの記念にお祝いするのは好きだよ?
女の子ってたいていそんなもんだと思うし、そこは間違ってないけどさ。

でも、その反応に困る記念日は何なんだ??

「…えーと。それで、その192日記念に、これをくれるっていうの?」

「そうだって言ってんだろ。」

「開けて良い?」

「ああ、勝手に開けてくれ。」

トラップってば、もうほとんど怒ってる。
もう、記念日とか言うならちょっとくらい笑って見せればいいのに。

「あーっ!」

これ!!

私が目をひん剥いて、さらに口をパクパクさせてると、おめえブサイクな出目金みたいになってんぞ、とかってトラップが意地悪を言う。

だって、これ。

私がリタにお土産に買ったのと色違いの、赤いアンクレット。
キラキラと輝く小さな宝石がついている。
それは、沈みかけた夕陽の光を浴びて眩しいくらいに輝いていた。

「物欲しそうに見てっからよ。」

ふんっと鼻で笑うトラップの顔はまだちょっと赤い。

「本当にもらって良いの?だってこれ、かなり高かったじゃない!」

びっくりして思わず詰め寄っちゃった私のおでこを、骨ばった長い指がピンっとはじく。

「った!」

「あのなあ、もらったもんの値段の話すんじゃねえって。色気ねえな。」

トラップは呆れた顔で苦笑する。
何だかちょっとドキっとする色っぽい仕草だった。
見慣れたトラップの顔なんだけど、見知らぬ男の人のような、私の知らない表情。
ちょっとドギマギしてしまう。
思わず首の辺りに視線を落として、その大きく出っ張った喉に今さら驚いた。

「あ、うん、ごめん。ありがとう。…でも、私何も用意してないよ?」

ごまかすように言葉を繋いで、はたとその事実に気づいた。
当たり前だけど、私はトラップに何も用意していない。192日記念なんて、妙な記念日の用意してるわけないんだけどさ。
これ、本当に高かったし…。

私が困っていると、トラップはサラサラの赤毛を乱暴にかき回した。
あまりに力が強かったせいか、髪はぐしゃぐしゃだし、くくった髪がほどけかけてる。
ほつれて頬にかかった髪を耳の後ろに掻きやりながら、笑ってこう言った。

「あー、じゃあ……今日の晩メシ、俺だけ特盛りな。」

それは、いつものいたずらっ子のような、活き活きした表情。
私のよく知ってるトラップで、なぜか心底ほっとした。


-----------------------------------------------------

「192日記念…」

後日、私の話を聞いた途端、リタは頭を抱えてしまった。

「バッカじゃないの、あいつ。どうせなら真ん中バースデーとかにすれば良いのに!」

隣にいる私のことなどそっちのけで、ぶつぶつとトラップをこきおろし始めてしまった。
いくらなんでもそこまで言われたらトラップが可哀想だよぉ。

「や、でも、ほら。何にしろ嬉しかったし…」

必死にフォローしようとしたら、呆れきった顔で、特大級のため息をつかれてしまった。

「だめだわ、こりゃ…。」

え、ちょっとリタってば、何よー?!


end




■投稿者:美月『Brightest Antares
■投稿日:2月16日
■作者コメント:
初投稿失礼します。
girlsから妄想していった結果、妙に情けないお話に仕上がってしまいました。
「気が知れないわ!」がよほどショックだったのだと思います。
お題的にセーフ?なのでしょうか?
 
 
 
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Young person's melancholy【SS】
 
 
【2011/02/11 04:42】
 
 

Young person's melancholy


猪鹿亭の隅っこで、ひときわ盛り上がる女性二人。
それを反対側からぼけっと見つめる男二人。

ここシルバーリーブで一番モテてるといっても過言ではない男性二人は、隅っこで異様な盛り上がりを見せる女性2人をげんなりした様子で見つめていた。


「何を話しているんだろうね」
黒髪のファイターがつまみを一口食べてから前の赤茶の派手な男に聞く。
「んなもん、知るかよ」
派手な男はちびちびとコップ一杯の酒を飲みつつ、不機嫌な顔のまま答えた。
「どうせバレンタインのことでも話してんじゃねぇの?」
ナッツをつまみ、空いてる指で目の前のファイター、クレイを指さした。
「今年は去年よりもすごいんじゃね?」
口角をあげてにやりと派手な男、トラップは言った。
クレイはがっくりと肩を落とし大きくため息をつく。
「あぁ、来週かぁ。今年こそ引きこもらないとな」
「引きこもってても家にまで押し掛けてくるぜ?女ってのはそういうもんだ」



クレイはそう悪態をつくトラップに苦笑した。
たしかにそうだ。
冒険者になる前、まだ実家にいたころのことを思い返した。

クレイ自身もモテるのだが、クレイの兄2人はそれ以上にモテる。

門前にそわそわと兄の帰りを待つ女性たち
頻繁に鳴る呼び鈴
家中が甘いチョコの香りに支配される

あの頃は、さすがお兄様たちだとしか思ってなかった。
まさか兄たちほどではないにしても、自分も兄達のようになるとは思いもしなかった。

目の前で酒をちびちび飲みながら、隅っこで談笑する2人の女性のうちの一人、パステルをチラチラと見ているトラップをじっと見た。
彼はこの状況を楽しんでいるようだ。
まぁ、楽しむ一方で本命からチョコを貰えるかどうかハラハラもしているだろうが。
俺は彼のようにこの状況は楽しめない。
本命からチョコがもらえるかということも非常に気になるが、当日、無事に1日穏やかに過ごせるか、そちらのほうが心配だ。

ある意味、尊敬する。

カップに残った酒をぐぃっと飲み干し、店員のアガサに水を頼んだ。




水を飲む目の前の男、クレイの表情に俺は少しムっとした。

クレイという男は自分の魅力を全然わかっていない。
それどころか、バレンタインというイベントを疎ましく思っているほどだ。
モテない男のひがみと思われてもいい。
本当のことだからだ。

こいつはモテる。
何をしなくても、ただそこにいるだけで女性が寄ってくるのだ。
顔がいいとか、フェミニストであるとか、そういうのもあるかもしれないが、それだけではない。
どこか安心感を与えるのだ。
そういうオーラでもでているのだろうか?
男の俺でも思うのだ、女性ならもっと感じているだろう。
だから、何もしなくても女性が寄ってくる。

その点、俺はどうだ?
自分から行かなければ女性なんて寄って来やしねぇ。
まぁ寄ってくることもあるが、そんな女は最低な女ばかりだ。

はぁ・・・。
酒の入ったグラスを見れば残りが少なかったので、仕方なくナッツを口に頬り込んだ。

・・・別に女性にモテたいとか、たくさんの女に言い寄られたいとかってわけじゃねぇ。
いや、モテたいが。
男だからな。
それよりも・・・

ちらりと隅っこで盛り上がる女性の一人、パステルを見る。

そうだ、一人の女性だけでいい。
モテなくても、自分が想いを寄せる本命だけにモテればいい。

コトンと音がして視線をテーブルに戻すと、クレイが水の入ったグラスをテーブルに置いたところだった。

ふと目が合った。

「・・・」
「・・・」

そして、ほぼ同時に店内に掛けられた壁掛け時計を見る。

「・・・」
「・・・」

またもや同時に視線を戻してお互いの目が合う。

「・・・」
「・・・」

またまた同時に視線が移動し、二人が見た先は、先ほどから盛り上がりっぱなしの女性二人。


「・・・いつになったら帰れるかな」
「っつうかもう先に帰んねぇ?」

はぁ~・・・

同時にため息が出る。
男二人が、バレンタインというイベントごとに憂鬱になっているというのに、二人が見つめてる先にいる女性は時間を忘れて話に華を咲かせている。

「・・・女ってすげぇな」
「・・・あぁ」

普段なら「いつまでくっちゃべってんだ!」と怒鳴るトラップも、先のイベントのことが気になって怒鳴ることができず。
クレイは元々の性格により、なかなか言い出せず。

時折、きゃー!という興奮したパステルとリタの声を聞きながら大きくため息をつきつつ
早く帰らせてくれ・・・と、願いを込め二人を見つめた。


女ってすごい、いろんな意味で。
二人は思わず、心の中でつぶやいた。



end






■投稿者:tomo西村 *love!*
■投稿日:2月11日
■作者コメント:
お題「girl(s)」ということですが視点を変えて、男キャラ視点でいってみました。
季節柄バレンタインということで、それを意識する男性・・・
今回もお粗末な連想からの妄想です^^;
毎度わかりにくい妄想ですみませんn



 
 
 
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恋の病に要注意(2)【SS・トラパス】
 
 
【2011/02/07 10:25】
 
 
猪鹿亭に知れ渡っていた通り、結局、リタが例のファイター、つまりキースのことが好きなんだってことは皆にバレてしまっていたみたい。
それなら、思い切ってキットンに相談してみることにした。
なんたって、我がパーティ唯一の妻帯者だもんね。
「ね、キットン。リタがキースにバレンタインの贈り物をしたいと考えてるみたいなんだけど、キットンなら何が喜ぶと思う?」
「バレンタイン・・・なるほど。キースっていうのは・・・はいはい。例のギア似のファイターですね。」
うっ、キットン。いちいちそれはいいんだってば。
私がずっこけていると、キットンはぎゃはぎゃは笑って、
「キースって人の好みは分かりませんが、バレンタインには昔から甘い物・・・例えばチョコレートなどを贈る風習があるそうですよ。」
怪しげなキノコを床に広げながら答えてくれたキットン。
「そっか!それなら手作りできるし、非常食にもなるからいいかもしれない♪」
さっすがキットン!
「そうそう、この薬草なんか入れてみてはどうです?匂いはいただけませんが、滋養はたっぷりですよ?」
ははは、キットン。プレゼントなのにいただけない匂いのするチョコなんてあり得ないよ・・・。
キットンの申し出は丁重にお断りして、早速リタに報告に行った。

「チョコレート?」
「そう!ただお菓子って言う意味だけじゃないんだよ?私達、冒険者にとっては、かさ張らずに栄養がとれる非常食って本当にありがたいの。」
「そうなんだ、ありがとパステル!私、作ってみる!」
そう言ったリタの顔は・・・なんて言うんですか?瞳はキラキラ輝いちゃって、これぞ「恋する乙女!」の表情だった。
本当に好きなんだねぇ。
私は恋愛に関して、今まであまり考えないようにしていた。
うううん。こうなったら困るとか、嫌だとか、いろいろ考え過ぎていたのかも。
本当の恋っていうのは、こんなふうに出会って間もなくても、相手の事をよく知らなくても始まるもんなんだね。
一目惚れって本当にあるんだなぁ。
そういえばキットンが言ってたっけ。
「パステル、恋っていうのは理屈じゃないんですよ。」って。
本当にそうなんだね。ちょっと私、感動しちゃった。

「あれ?そういえばリタ、なんか顔が赤いみたいだけど熱でもあるの?」
「そうなんだよね・・・昨日から、ちょっとダルくてさ。お店もあるから休んでもいられないんだけど。」
たしかに少し辛そうだ。大丈夫かなぁリタ。
「あまり無理しないでよ?」
「うん、サンキュ」
さぁ!帰って私もバレンタインの用意、頑張るぞ!

***************

と言っても私があげるのは、パーティの皆なんだけどね。たはは。

ええい!それだって私が心から大事に思っている人達だもんね。
何にも負けてなんかいないぞぉ!

ひとり鼻息荒く、陽の傾き始めた台所に立っていると、トラップがやって来た。
「飯は?」
「え?あぁ、まだだよ。みんなが帰って来てからにしようと思って。」
トラップは、ふーん、と言ったまま立ったままだ。
「なに?何かいる?」
「いや。」
なんだろう?仏頂面したまま、トラップは突っ立ったままだ。
気にせず作業をしていると、トラップが口を開いた。
「なぁ、それ、バレンタインってやつ?」
「そうだよ?」
なんだ。やっぱり何か食べたいのかな?なら、言えばいいのに。
「・・・・・・それさ、おれにもあるわけ?」
ははーん。自分の分を心配してるんだな。
もちろんトラップの分も、パーティ全員の分を用意するつもりだったけど、私はイタズラ心が湧いてきた。
「さぁ?最初から分かってたらプレゼントにならないじゃない?でも、女の子の顔を見てブタ呼ばわりする人には、ないかもね~♪」
「おまっ、あれはだなぁっ!忠告ってやつだろうがっ!」
あははは!焦るトラップって、なんか可愛い~。
あれだな、ルーミィが期待してたオヤツが食べられなくなった時の顔にそっくりだ。
「ふふっ、今はこれで我慢してなさいっ」
私は、ルーミィ秘蔵のクレイママ特製クッキーをトラップの口にポンと押し込んだ。
「うぐぐ」
一瞬ビックリして動きを止めたトラップだったけど、
「今日の晩飯はあれな、パスタ。」
口をもぐもぐさせながら、くるっと私に背を向けると、手をひらひら振ってあっさりトラップは行ってしまった。
あれ、というのは、たぶんハーブとニンニクを使ったパスタのことだろう。
この前作った時、簡単だったけど割と好評だったのよね。
「しょうがないなぁ・・」
私は夕食用に裏庭へハーブを摘みに行った。

***************

翌日、いつものように猪鹿亭へ向かっていると、見慣れない屈強な男達が歩いていた。
見ればすぐに分かる。彼らは冒険者だ。
彼らの話声が聞こえてきた。
「キースのやつ、待ちくたびれてるだろうなぁ」
「あぁ、だいぶ予定が遅れちまったからな。さっそく今日にでも出発と行こうぜ。」
・・・・・・!
これって、キースが待っていた冒険仲間だよね?
ってことは、今日シルバーリーブを発ってしまうの??
リタに知らせなくちゃ!

私は走って猪鹿亭へ向かった。
「あの・・はぁ、はぁ。リタは・・?」
「あぁ、パステル。リタなら二階だよ、ちょっと調子が悪くてなぁ。」
リタのお父さんの答えを聞いて、急いで階段を駆け上がる。
「リタッ!大変だよ!キースが出発しちゃう!!」
部屋の扉を開けると、リタはベッドに横になっていた。
「パステル・・・」
一目見ただけで、かなり具合が悪いのがわかる。
「大丈夫?起きられる?あのね、キースが・・・」
そこまで言うと、リタは私の手をぎゅっと握った。
「パステル。私はダメだよ、行けない・・・」
「なんで?!」
あぁ、こんな時に具合が悪くなるだなんて!
恋の病っていうけど、本当の病気にするなんて、恋の女神も残酷過ぎる!!
「ちがうよ。もちろん体も辛くて、たぶん見送りには行けない。でも、私が辛くてチョコを渡すことができないんだ・・・。」
いつも元気いっぱいのリタだけに、その姿があまりにも痛々しくって、思わず鼻の奥がツーーンとなる。
「何言ってるのよ!今会わなきゃ、もうずっと会えないかもしれないんだよ?!」
「うん。だからパステル、私の代わりにチョコだけは渡して来て。昨日、一生懸命作ったんだ。こんなに気持ちを込めたのは初めてだよ。」
照れ笑いするリタが優しく見つめた先には、可愛らしくラッピングされた小箱があった。
私は胸がいっぱいになって、リタをぎゅーーっと抱きしめた。
「わかった。私が追いかけて渡してくる!」
「うん。ありがとうパステル、ごめんね。」
「いいよ!リタには後悔して欲しくないんだ!!じゃあ、行って来る!」
来たときと同様、私にしては素晴らしいスピードで店の外に出た。
すでに支度済みの冒険者なら、すぐにでも村を出てしまうだろう。
急いで村の出口へ向かっていると、大通りを歩いているキースのパーティを見つけた。
こんな村では目立ち過ぎる団体だったのが幸いした。
キースもすでに合流している。

「キースゥー!!」
これ以上引き離されないように大きな声で呼び止めると、ラッキーなことに声が通ったようだ。
「ん?君は、猪鹿亭にいた子だね?」
遅れて立ち止まったキースの仲間がヒューと口笛を吹く。
通りを歩いていた人々も、私が大声を出したもんだから注目を浴びてしまった。
うぅぅぅ~。しかし友のためだ!ここで退くわけにはいかないじゃないか。
私は「代理」で渡すだけなんだから、恥ずかしくなんかないぞ~。
そうだ、さらっと普通に渡せばいいんだから。
「あ、あの・・!これっ!・・・・・・・た、頼まれたから・・」
いきなり渡されたもんだから、目を丸くするキース。
そりゃあ、そうだろう。
周りは「ヨッ!」とか囃し立てる声が上がったりしてる。
ひぇ~、やめてよぅ~。
可愛いラッピングだから、キースも意味が分かったんだろうね。
恥ずかしそうに「君、名前は?」と訊かれたので、思わず「パステルです」と答えてしまった。

任務が終わると恥ずかしさでいっぱいで、すぐに猪鹿亭へ戻った。
でも走って戻っている途中、むくむくと不安が湧きあがって来た。
あの状況・・・私からのプレゼントだと勘違いしてるよね?きっと。
まぁ、中を開けてみたら誤解も解けるだろう!
「リター!渡したからね!」
部屋に入るとリタは仕事着に着替えていた。
「えっ?いくらなんでも無理するのは良くないよ!」
「あら、パステル。パステルまで何言うのよ~」
えええ???
「リタ、恋の病でおかしくなっちゃったんじゃないよね?」
リタの額に手を当てたら、
「はぁ~?なによ、それ。それより、渡してきたって何を渡してきたの?」
ッガーーーーーン。
「リタ・・・思い悩み過ぎて、記憶喪失にでもなっちゃったわけ??ほら、バレンタインのチョコをキースに渡すんだ!って、あなたが倒れちゃったもんだから、私が代理で渡しに行ったんじゃないの!」
なおも頭を傾げるリタ。
でも彼女は嘘をついている様子はない。
そんなことって、あるのぉ~~~??

***************

もちろん、一番にキットンに相談した。
一通りリタの診察を終えるとキットンはこう言った。
「これはコイヤマイダケを食べたんですね、きっと。いやぁ、おかしいなとは思っていたんですよ。第一あのリタが、恋する乙女の瞳になってましたからねぇ。ぎゃははははははっ」
それって・・・まさか・・・
「ね、ねぇキットン。聞きたくはないんだけど、それってどういうこと・・?」
「はい。コイヤマイダケという大変珍しいキノコがありまして、よく似た親戚にコイマヨイダケっていうのがあるんですがね、こっちの方は・・」
「いい!今はいいっ!で?どんな作用があるの?副作用とか、毒とかはないの??」
まったく、こんな時にキノコの親戚の説明なんていらないからぁっ!
「はいはい。そうですね、作用としては名前の通り惚れ薬の効果があります。このキノコを食べてから、一番最初に話しかけられた異性・・まぁこの場合は人間以外も当てはまるのかどうか分かりませんが・・その相手を好きになります。」
そこまで聞いて、私はパッとリタに振り向いた。
「リタ!そんな変なキノコを食べた覚えなんてある?」
「ん~~確か、新メニューの看板料理に使う新しい食材を探していて、キットンに珍しいキノコをもらったような・・。でも、本当にいい香りのキノコだったけど?」
「キットン、それ本当?!」
思わずキットンの襟首をがくがく揺らす。
「ひぇぇ。リタにはトリュフルという、これまた大変貴重で高価なキノコを渡したつもりだったんですがねぇ。トリュフルとコイヤマイダケは茶色っぽいキノコで非常によく似ているんです。おそらく、トリュフルの中にコイヤマイダケが混ざってしまっていたのかもしれません。どちらも珍しいキノコなので、まさに偶然の一致です。ぎゃひゃひゃひゃ」
んもうっ!信じられない!!
キットンが間違って渡してしまったコイヤマイダケをリタが食べてしまったあとに、お客のキースに声を掛けられたということだろう。

「で?リタの体に問題はないわけ?」
「はい。効果は長くて一カ月ほどで終わります。個人差がありますがね。惚れ薬タイプの効果としては、長い方ですね。だから高値で取引されているのですが。
一番面白いのは、その効果が切れるときなんです。惚れ薬の効果は、最初はちょっと気になるかな?というくらいですが、段々と好きで好きでたまらなくなります。そして最後には、まさしく恋の病ともいうべく高熱を出してしまいます。コイヤマイダケとはよく言ったものです、ぎゃははは。まぁ、高熱と言っても、実際には体に負担のかかるものではありません。熱が冷めたときには恋をしていた気持ちを忘れてしまうので、そのあたりの記憶の作用で発熱が起こるのでは?と言われています。逆の言い方をすれば、発熱によって記憶が変化しているのかもしれません。」
そ、それって、なんか怖いキノコじゃない?
それにリタ、あんなにキースのこと想ってたのに偽物の気持ちだったなんて・・・。
「おや?どうしましたか?」
「どうしたじゃないわよ!っもぅ、リタの気持ちをどうしてくれるのよ!あんなに気持ちを込めてチョコを作ったんだよ?初めてだって言ってたのに・・・」
しょんぼりする私の肩に、リタがポンと手を置いた。
「まぁ、私は覚えてないからさ!それに、好きで好きでたまらないような恋なんて、一生かかってもできるか分からないし。いい経験だったのよ。」
リタって前向きだなぁ・・・。
「それより、いい男だったんでしょう?それならキノコ抜きで知り合いたかったな~」
ははは。逞しいなぁ。
あっ!そうだ!
「ねぇ、覚えてないかもしれないけどさぁ。リタが作ったチョコレートって、差出人の名前を書いたカードとか中に入れた・・・?」
「う~~~~ん・・」
一生懸命、首をひねるリタ。
「ぎゃはははは!まさかパステル、リタの代わりにチョコを渡して、そのまま自分からのプレゼントだと相手に勘違いされているのでは?!」
キットンが突然バカ笑いを始めたもんだからビックリした。
「え?なんで私がチョコ渡したこと知ってるの??」
「そりゃあ、真昼間の大通りで渡したんでしょう?シルバーリーブ中の噂になってますよ。ぎゃははははは」

キットンの言葉を聞いて、まさに顔面蒼白・・・。
「う~~ごめんっ!やっぱり覚えてないや。」
あわれみを浮かべて私を見つめるリタ。
あ~~、やっぱりあの時、せめて名乗らなきゃ良かったぁ!!

***************

その後、しばらくは「町中で堂々と告白する勇気ある女性」と、ありがたくない賞賛をいただいてしまい、私は恥ずかしくて外を歩けなかった。
そうそう、私が作ったチョコは夕飯のみんなが集まった時にそれぞれ渡したんだ。
みんなとっても喜んでくれた。
トラップだけは、何故か帰って来ないから渡せなかったんだけど。


私はトラップにもみんなと同じ日に手渡そうと思って、食堂で帰りを待っていたんだよね。
「おぅ、どうした?」
帰って来るなりこれだよ?
「なによ、自分がパスタが食べたいって言ったくせに、昨日から一度も帰って来ないじゃない。」
そうなのだ。昨日、自分でパスタをリクエストしてたんだよね。
「あぁ、わりぃわりぃ。でも、材料残ってるんだろ?」
「うん、一応ね・・・」
「じゃ、食う。」
さっさとテーブルにつくトラップ。
「まったく・・」
でも実はトラップのためにとっておいてあったから、内心嬉しかったりもする。
帰りが遅いと、夕飯を済ませて来ちゃってる場合もあるもんね。

調理をしてるとトラップが唐突に
「おめぇ、随分と噂になってるぜ?派手に告白したってな。」
なんて言うから、あやうく鍋をひっくり返しそうになった。
「こっここここ、告白だなんて、してないよっ!」
慌てて否定すると、
「ま、そんなこったろうな。」
とすんなり信じてもらえた。
これは喜ぶべきなのだろうか・・・?
「しかし、もうそんなバカな依頼、引き受けんなよ?」
「え?」
「だぁら、おめぇはお人よしにも程があるってこと!第一、他人に告白してもらうのが本人のためになるわきゃねーだろ!」
そっか。たしかに・・・。
トラップっていつもそういうの、よく分かってるよね。見えてるって言うのかな。
素直にそう言ったら、「ふん、おめぇとは人間の出来が違うんだ」だって。
ちぇっ、可愛くないの~。
チョコあげるのやめちゃおうかしら。

「うめえぇ~~~!!やっぱこの味付け、最高だぜえぇ!!」
出来上がったパスタを一口頬張るなり、トラップが叫んだ。
ふふ。そんなに手放しで喜んでもらえると、作ってる身としては非常に嬉しい。
この前も叫んでたし、なんかこの味、トラップのツボみたいね。
ニマニマしながらトラップを眺めていたら、気持ち悪がられてしまった。
じゃあ仕方ない。たくさん食べてくれたお礼に、トラップにもチョコをあげますか。
「はい」
黄色いリボンのついた小箱をトラップの前に差し出す。
一瞬きょとんとしていたトラップだけど、すぐに中身が何だか分かったらしい。
「やりぃぃぃっ!!」
ふふふ。喜び方が子供だよ。
トラップって意外と甘党だったのかな?
「いつもありがとうね。これからも、よろしく。」
笑顔で日ごろの感謝を伝えたら、トラップは眉を一瞬ピクッと上げて、
「あったりめぇだ!どんだけおめぇの方向音痴に苦労させられてるか・・・。しかし、これでノルマ達成。おれの勝ちだぜっ!待ってろよ、オーシ!」
ま・・・まさか、プレゼントの数を賭けて、オーシと勝負してたんじゃないでしょうねぇ?
昨日も一晩中ギャンブルしてたんじゃ・・・!
「コラ!トラップ、そのチョコ返しなさ~~い!!」
まじぃ、と舌を出して逃げ出したトラップを、私はお玉を持って追いかけたのだった。

fin.


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■投稿者:みみこ『FQがたり
■投稿日:2月4日
■作者コメント:
初めて書いてみましたが、長くてゴメンなさい。
突っ込みどころ満載のパステルの鈍感具合や、
トラップの裏サイドストーリーを妄想してもらえるように書いたつもりです。
たぶんギャンブルしてたのも、オーシと賭けをしたのも嘘ですねw
 
 
 
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恋の病に要注意(1)【SS・トラパス】
 
 
【2011/02/07 10:06】
 
 
ガールズトーク。
女の子同士の楽しみって言ったら、まずはこれだろう。

とくに私なんかは、普段男だらけのパーティにいるもんだから、余計に女の子同士の会話が楽しい。
あ、もちろん、うちのパーティにはルーミィっていうれっきとしたメチャメチャ可愛いエルフの女の子がいるんだけどね。
しかし、彼女はまだガールズトークの相手にはならないかなぁ。
なにせ、「ルーミィ、おなかぺっこぺこだおう」が口癖だもんね。

いま私は、冒険の拠点にしているシルバーリーブにある猪鹿亭に来ている。
ここの看板娘のリタのお昼休みを使って、まさにガールズトークをしていたわけだ。

「もうすぐバレンタインなのよね…。」
そう言うと、ジュースの入ったグラスを片手に、リタはストローを咥えた。
目はどこか上の方を見ている。
「え?」
唐突な単語に思わず訊き返す私に、
「だから、バレンタインよ。年に一度、好きな人にプレゼントを渡すっていうどこかのお祭り。最近、女の子の間で流行ってるらしいのよ。」
グラスの中の氷をストローでくるくると回しながらリタは答えた。
お昼時を過ぎた猪鹿亭の店内は、人もまばら。
ゆっくり午後のお茶をするお客さんが数人いるだけで、どこかのんびりした雰囲気だ。
う~~ん、バレンタイン・・・そうだ、確かに聞いたことがある。
「あぁ、あれね。わたしも聞いたことあるよ?でも、なにも好きな人にあげなくてもいいって話でしょう?日ごろの感謝を込めて家族とか大事な人にプレゼントするんだって聞いたけど?」
するとリタは「はぁーーーっ」と大袈裟にため息をついて、
「パステル。あなた、この女の子のためのイベントに、まさかパーティ全員にプレゼント贈ろうって思ってるんじゃないでしょうね?感謝のしるしとか言って。」
気持ち半目のリタ・・・ひぇぇ、なんか怖いんですけど・・・。
遠くのテーブルのお客さんも、なにかあったのかな?って顔してるよぉ。

「そ、そりゃあ、みんなには何かあげようと思ってたたけど・・」
なにか嫌な予感を感じながら私がそう答えると、
「っだー!あなたって子はぁ~・・」
リタはドテッとテーブルの上に突っ伏したかと思うと、恨めしそうに頭を抱えて言った。
「まぁ、感謝のしるしもいいけどさ。せっかくなんだから"男の子"として誰かにあげようとか思わないわけ??」
う~~~む。その話かぁ。
私って周りの女の子から見たら恵まれているらしい。
親衛隊までいるクレイやトラップ(ヤツは本当の姿をみんな知らないだけだと思うケド)と同じパーティを組んでるんだもんね。
でもさ。だからっていうのかなぁ。
私はあんま、その手の話しに興味がないんだよね。
うううん、興味がないっていうより、関わり合いになりたくないんだよね。

「それは、私だって年頃の女の子としてはバレンタインにプレゼントを贈る相手の一人もいないのは自分でも寂しいと思うけど・・」
腕を組みながら目をつぶって、うんうんと大きく頷くリタ。
それを見てたらふと思ったんだ。
「じゃあ、リタにはそんな相手がいるわけ?だってシルバーリーブにはまともなのがいないって言ってたじゃない。」
するとすると、なんてことだろう!
「うん。それがいるのよ♪」
リタが言ったじゃないか・・・!

***************

「へぇ~、リタに好きな人ねぇ。」

ここはシルバーリーブの外れにある、私達パーティの家。
といっても一度全焼しちゃったのを村の人が建て直してくれたんだよね。
あちこち修繕しないといけない部分がまだ残ってるんだけど、ありがたいったらない。

その部屋の一つ。
クレイとトラップの部屋に私はいた。
目の前のベッドに座っているのはクレイ。
私は部屋に一つある椅子に腰かけていた。

あのあと、リタの話を聞いてから、彼女に協力すると約束してクレイに情報提供を求めに来たってわけ。
勝手にリタの好きな人をバラしていいのかって?
実は、リタが言ったんだよね。
彼、どうやらファイターらしいから、何をプレゼントされたら喜ぶのかクレイに訊いてみてって・・・。

「うん、そうらしいんだよね。で、プレゼントをしたいらしいんだけど、クレイだったら何が欲しい?」
足を組んで、首をコキコキやってるクレイに聞いてみた。
クレイってば、まだ体が痛いのかなぁ?
「そうだなぁ・・とくにこれってないけど・・・」
そうだよねぇ、クレイだったらきっと、何をもらったって喜んでくれるだろう。
「それより、リタの好きな人ってどんな人なんだい?相手によっても変わるだろう?」
う・・・・・・・・・っ
それは訊かないで欲しかった・・・。
なぜって、似ていたんだもん。
あの人・・・・・・・・・・・・ギアに。


リタに教えてもらったとき、ビックリしたよ。
「ほら、あそこ。」
ってリタがこっそり指差した方を振り返ると、見慣れない冒険者風の男性が軽食をとっていた。
細身の体に、黒っぽい皮のアーマー、無造作に切った少し長めの黒髪。
横顔を見たときにドキッとした。
まったく同じ顔とは言えないけど、全体の雰囲気がすごくギアに似ていた。
確かにカッコいい…。

固まってしまった私を見て、勘違いしたリタが
「やっぱりパステルもカッコいいと思う?あの切れそうなクールな感じが、このへんの男どもとは全然ちがうのよねぇ」
なんて、うっとりしちゃってる。
たしかに百戦錬磨って感じの落ち着いた雰囲気もそっくりだ・・・。
真っ赤になりつつも冷や汗をたらしている私に、さすがにリタも変だと気付いたらしい。
事の顛末を話すと、
「なるほどねぇ。でもさ、もう別れちゃったんだから応援してくれるわよね!
冒険者相手って何あげたらいいか分からないんだ。おねがい!この通り、協力して~!」
なんて手を合わせられちゃったら、協力しないわけにはいかない…。


クレイには曖昧にごまかして(ギアの話はできないから、年上の剣の使い手みたいだ~とかなんとかね)、それからは事あるごとに猪鹿亭に張り込んで、例のファイターの観察を開始した。
どんな物が好みなのか、なにか必要としてるものはないのか冒険者目線で調べるためにね。

リタの話では、彼はこの村の近くにあると言われている遺跡へ冒険に行く途中、同行する他のメンバーとここで合流することになっているらしい。
他のメンバーは乗り合い馬車が山火事にあってしまって到着が遅れているらしいので、彼はしばらくこの村に足止めだ。
その間にプレゼントを考えなくっちゃ…。

***************

「よぅ、最近やけに長いこと猪鹿亭にいりびたってるよなぁ」

っあ~~~~!ビックリした!!
いきなり音もなく背後から声をかけられたから心臓が飛び出るかと思った。
振り返ると、開け放したままの私とルーミィ、シロちゃんの部屋のドアに目を細めたトラップが意地悪そうに寄りかかっていた。

「っもう!急に声をかけられたらビックリするじゃない。」
原稿を書きながら物思いにふけってた私は、ペンを置いて抗議した。
「けっ!ダンジョンじゃあ、これから襲いますよ!なんてモンスターはいないんだ。そんなんでいちいち驚いてるなんざ、甘いな!」
そりゃそうだ。そんな親切なモンスターがいるわけないな・・・って、そんなことはどうでもよくって。
「なによぅ、なんか用でもあるわけ?大体いつからそこにいたのよ。」
トラップはじっと私の顔を見つめてたかと思うと、
「ふん、どうでもいいが、いくらタダだからってあんま飲みすぎるとブタになるぜ?」
と言いながら、頭の後ろで腕を組みながらプイッと一階に降りて行ってしまった。
っもう!なんなの?なんなのよぉ~~っ?!女の子に向かってブタだなんて!
私は思わず、自分の頬をさすった。

たしかに、ここのところ猪鹿亭へ通っているのは、新メニューの開発とかで味見の協力をしているためでもあったんだよね。
リタは今、女の子にウケそうな新ドリンクの開発をしているんだ。
昨日はベリーの実を使ったソーダを飲ませてもらった。
甘酸っぱくて美味しいんだよね~
ははは、ついつい飲みすぎちゃうのは当たってるかも。

私も一階へ降りると、もうみんな夕飯を食べ始めていた。
どうやらトラップは、いつまでも降りてこない私を呼びに来てくれたみたいね。
まったく、憎まれ口ばかり叩いて、可愛くないんだから。
「そういえば、最近見慣れないファイターが猪鹿亭に来ていますね。」
キットンが頬張っているのは、クレイお手製ホワイトシチューだ。
パンに浸して食べると、ほっぺが落ちるほど美味しいんだなっ。うん。
「ん、ファイター?冒険者か?」
さすがクレイ。自分と同じ職業だから興味を持ったんだろう。
きっとリタの想い人の事だと思うけど、私が口を挟もうか迷っていると・・・
「はい。そのようですね。私もチラッと見ただけですが、雰囲気がギアによく似ていますね。」

「ぶっ!!!」
「うわっ!」
突然出てきた名前に、私は思わず頬張っていたシチューを吹き出してしまった。
「ご、ごめんクレイ、ゲホッ、ゲホッ。」
目の前に座っていたクレイに思いっきりかかっちゃったよ。
うぅぅ、クレイ、ごめん!
「なんですかぁ、二人とも!!」
え?二人??そういえば、こんなときは必ず「きったねー」だのなんだの文句言う人が何も言わない。
はっと隣を見ると、私と同じようにトラップがケホケホやっていた。
「お前までむせることはないだろ?」
あーあ・・・どうやらクレイ、二人分のシチューを浴びちゃったみたいね。
慌ててタオルでクレイの顔を拭いてあげる。
「・・るせ~っ・・ゲホゲホ」
上目遣いにクレイを睨んだトラップは、まだ苦しそうに涙まで溜めてるよ。
「で?そのファイター、何しに来たんだ?」
「さぁ・・・。そこまでは分かりませんねぇ。そうえばパステル?」
ようやく呼吸が落ち着いた私は顔をあげた。
「ん?」
「あなたここ最近、毎日猪鹿亭に行ってるようだから知っていますよね?ギア似のファイター。彼は何者なんです?」

「ぶっ!!!!」
やっと落ち着いたところだったのに、口に含んだお茶を思いっきり気管に入れてしまった。
「ッケホ、ケホッ、ケホッ・・ゴホゴゴホッ」
「大丈夫か?パステル」
クレイ、今度は一瞬早く避けてくれたみたいで被害は受けなかったみたい。
「ぱぁーるぅ、かぜひいたんか?」
「パステルおねえしゃん、大丈夫デシか?」
ルーミィとシロちゃんが心配そうに見上げている。
「・・・うん、だ、だいじょうぶ。ゲホッ」
まだ少し苦しいけれど、なんとか答えることはできた。
「ぎゃはははっ、こりゃ失礼!しかし、パステルも気付いていたんですね。ギア似のファイター。」
うぐぐぐ。私が真っ赤になって返答に困っていると、
「けっ!そんなやつ、大体ファイターかどうかも怪しいぜ?冒険者カード持ってるか見たわけじゃないんだろ?」
テーブルに肘をついた格好のトラップが、手の上に顎を乗せたまま言った。
「そ、そりゃそうだけど・・・。」
「ほらな!最近、冒険者ってのがモテるんだ。大方、どっかの女ったらしだぜ?おめぇもせいぜい騙されねぇように気をつけるんだな!」
自分だって、冒険者やってて親衛隊までいて女ったらしのくせに、よく言うわよ!
そう思ったら、なんだか腹が立ってきた!
「そんなことないと思うよ?意外といい人みたいだもん。お昼時はお店が忙しいだろうからって、わざわざ時間をずらして食事に来てるんだよ?」
「ふん、ずいぶん詳しいんだな。自分がゆっくり食べたいだけだろ?」
胡散臭そうな目で私を見ていたトラップは、ドンとテーブルに手をつくと、台所に食器を片付けてそのまま家を出て行ってしまった。
「っもう、なによ。会ったこともないのに、そんな言い方ないじゃない。」
膨れたまま私が言うと、
「まぁ、トラップはギアのギの字でも不機嫌になりますからね。うひゃひゃひゃ。」
キットンは意味不明な笑いを発していた。
なんなんだ、もぉーーーっ!

***************

っはぁぁ~~~~~っ・・・

それからも例のギア似のファイターを観察していたけど、一向にいいプレゼントは思いつかなかった。
話したこともないファイターが欲しがっている物なんて、分かるはずがないよね。
そう・・・・・・私は見ているだけで、話しかけることがどうしてもできなかった。
これってトラウマかなぁ・・・。
リタはどうしてたかというと、なんと彼女、彼への想いが日に日に強まって、彼の前に出ることもできなくなっちゃったんだよ!
はじめは簡単な会話をしたこともあったらしいんだけど…。
とにかくあんなリタ、見たことないよ!
仕事中もボーっとしてるし、常連さんの間でも噂になってるんだ。
リタも女の子だったんだね~って。

「きゃーーーー♪」
穏やかな猪鹿亭の一角が騒がしい。

っはぁぁ~~~~~っ・・・

頭痛の種がもう一つ。
近頃、お昼時の時間が過ぎるとよくトラップが来るようになったこと。
私には関係ないけどね。
関係ないけど、お願いだから来ないでくれ~~~!
親衛隊のとばっちりを受けるのは私なんだからさぁ。

ぺちゃくちゃ・・・

はぁぁぁ。別の隅では親衛隊の女の子が私の悪口を言っているのが聞こえてくる。
私が一体、何をしたっていうのよ。
うんざりした気分を振り払おうと、カウンターにお水のおかわりをもらいに行こうと立ち上がった。
人間、心が弱くなっているときは、足元も弱くなるもんなのかね。
何もない床で派手に転びそうになってしまった。

「おっと・・大丈夫?」
床が視界に迫る瞬間、誰かに強く腕を引き上げられた。
「す、すみません・・・」
ななんとっ!目の前に例のファイターが立っているではありませんか!
「君、いつもここに来ているよね?この村の子…かな?良かったら、ここの周辺の事を教えてくれないか?」
ひぇぇぇ~~。はにかんだ笑顔が眩しすぎるっ。
私が固まったまま、口をぱくぱくさせていると、さっと横から引っぱられた。
「すいませんねぇ。うちのモンがご迷惑かけちゃって~」
トラップが頭をペコペコさせながら私を横へ追いやった。
「トラップ!」
(ちょっと黙ってろ)と私に小声で言うと、トラップは私を席に戻らせた。

それからすぐにトラップは私の席にやって来た。
あ~あぁ、後ろで親衛隊がギャーギャー言ってるぞ。し~らないっ。
トラップはそんなことにはお構いなしで教えてくれた。
彼の名はキース。ファイター、レベル13。
冒険者カードを盗み見てくれたんだね。
なにもカードを盗み見なくても、お互い冒険者なんだから正面から訊いたっていいんじゃないの?と思ったけど、私だって人のことは言えないよね。
まさかトラップまで一目惚れってことはないでしょうけど。ははは、、

***************

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■投稿者:みみこ『FQがたり
■投稿日:2月4日
■作者コメント:
((2)で掲載いたします)

 
 
 
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